限定公開( 2 )
夏の風物詩、“愛は地球を救う”のキャッチフレーズで民放が放送している「24時間テレビ」ってどう思いますか?
“障害者が頑張っている姿を見て感動する”そんな構図の番組について、『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる「テキトー母さん」流 子育てのコツ』の著者の立石美津子が思うことをお話します。
(良い点)
●障害者の生活を知ることができる。
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●有名タレントが呼びかけることにより相当の募金が集まる。
●健康のありがたみを感じることができる。
●頑張っている人の生活を知り「自分の悩みはなんとちっぽけなことなのか」と思うようになる。
(疑問点)
●障害者が頑張る姿を見て健常者の涙を誘うお決まりのパターン
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●障害者と健常者が対等ではない番組の作りになっている。
●最後にタレントがマラソンをすることで締めくくる流れの目的がわからない。
●障害者が必死に汗を流しみんなの助けを借りて富士山を登ったり、ダウン症の子がアイドルと一緒に歌って踊ったり。なんだか「障害者の頑張りを見て、皆さん、感動してください」と押し付けている感じがする。
●障害者とその家族を美化していて一面的にしかとらえていない。
障害者だって1人の人間です。例えばダウン症児を見て「こういう子たちは優しくて天使だ」と言う人がよくいますが、その育ちにより意地悪なダウン症児の人や性格が穏やかな人もいます。
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また、障害者は頑張っていて家族が支えているというイメージがありますが、障害者だって頑張らない人もいます。支えられない家族もいます。
障害児がいることで家族が愛情の絆で結ばれるケースもあれば、姑や夫婦間に溝が出来て離婚するケースもあります。
自閉症の人には秀でた隠れた才能があるという幻想、“ギフテッドチャイルド”に違いないという妄想……しかし、そんな才能ない人だっているのです。
それから障害児を持った親は“立派な人”“子どものために尽くす親”のイメージが一人歩きしている感じもします。
わが子の心臓の病気の治療の費用1億円を集めるために募金を募る親もいれば、子どもの病気を苦に親子無理心中する人、虐待する親もいます。
“障害児の親は子どもに尽くすので地味な服装をしている”、これも偏見で派手な人もいます。
人間ですから色んな人がいます。ところが番組は「障害者はこういう人だ」と美化しずぎていて、負の部分を見せていない構成に感じます。
そこを放送しないことに“障害者を特別扱いしている偏り”を感じてしまうのです。
クラスに障害児がいると排除しようとしたり……。
ホームレスを見た子どもから「どうして、段ボールがおうちなの?」質問をされたとき……。
「あの人はお仕事がなくて、お金がないからあんな家にしか住めなくなったのね。○○ちゃんは今からしっかり勉強して、将来、あのおじさんのようにならないようにね」
公園でウロウロして奇声を発している自閉症の人を見て、不審者だと110番するママ。(これは実例で地域社会で自閉症の人と知られているのに、いちいち通報する人がいます)
こんな風な環境で育つと障害者に対しての見方も偏ったものになってしまうのではないでしょうか。
いかがでしたか。
子どもが生まれる前は「五体満足であれさえすればいい」と健康で元気な子を誰も望みます。しかし、障害のある人は必ず一定の割合で生まれるのです。
夏のこの時期にお祭りのように年に一度放送し、障害者の頑張りを見て芸能人たちが応援し涙するパターン。
こんなカモフラージュをわざわざしなくても、普段、地域の中で弱者に誰しも手を差しのべる、そんな社会になってほしいと思います。
【参考・画像】
※ 『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』
※ 『一人でできる子が育つ「テキトーかあさん」のすすめ』
【著者略歴】
※ 立石美津子・・・20年間学習塾を経営、現在は著者・講演家として活動。自閉症児の母。著書は『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』『「はずれ先生」にあたった時に読む本』『一人でできる子が育つ「テキトーかあさん」のすすめ』ほか多数。オフィシャルサイト http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/
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