エベレスト山の標高に変化? 2015年の地震の影響大きく

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2017年06月20日 13:53  Techinsight Japan

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2015年の強い地震でエベレスト山の高さに変化か(画像は『Phys.org 2015年6月16日付「Mount Everest shifted southwest due to Nepal earthquake」』のスクリーンショット)
ネパール中部で2015年4月25日に発生したマグニチュード7.8の強い地震。首都カトマンズほか都市部を中心に9,000人近い死者を出したが、この国が誇る世界最高峰のエベレスト山が今、正確な高さについて改めて測量することを迫られている。地震の影響で標高がやや下がった可能性も指摘されているようだ。

中国およびネパールにまたがるヒマラヤ山脈の世界最高峰、エベレスト山の高さは現在8,848mとされている。サイエンス系の有名サイト『Phys.org』は2015年6月、同年4月〜5月に2度発生した強い地震の後に調査にあたった中国・国家測絵地理信息局(National Daily Administration of Surveying、Mapping and Geoinformation)が、エベレスト山の一部が崩壊したこと、そして年間約4cm、10年で計40cm北東に移動していた地殻の変動が南西に3cm逆戻りしたこと、そして過去10年で標高が3cm上がったことを確認したという中国メディアの報道を伝えた。地殻変動は山の標高が変わる一番の原因であるが、5月12日に起きたマグニチュード7.3という2度目の地震は影響を与えていないと考えられるという。

そして『カトマンズ・ポスト』紙によれば、ネパール国土改革省の国土調査局はこのほどエベレスト山の標高について改めて測量を行うことを発表したもよう。期間は2年、費用は1.5億円ほどと見積もられるそうだ。登山支援に従事してきたシェルパ民族の力を借りながら、Basghari、Udayapur、Luklaと3つの地点に測量器具を設置することになるという。またエベレスト登山者にとって最大の難所であったものの、先月に英・登山家から崩壊の報告がなされた「ヒラリーステップ(Hillary Step)」についても調査が行われるもようだ。インドの調査当局も協力の意向を示していたが、ネパール政府主導の下、すでに国際的権威を持つ科学者など専門家が現地入りしている。

画像は『Phys.org 2015年6月16日付「Mount Everest shifted southwest due to Nepal earthquake」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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