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中小企業にとって悩みの種になるのが人材の確保。弁護士ドットコムの法律相談コーナーには、「従業員が突然退社して、困っている」という相談が複数寄せられています。
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6人の従業員がいるという経営者の男性は、雇用契約書に、退職の際は30日前までに通知するよう書いていますが、出社してきた社員に突然退職の意思を伝えられたそうです。2週間は残るようにと引き止めたものの、その日のうちに退職したそうです。
また、美容室を経営しているという女性は、20代の社員2人からLINEで退職の旨を伝えられ、翌日から出社しなくなったといいます。「シフトが組めなくなり、4日ほど休業を強いられ50~60万円ほど売り上げが下がってしまった」と憤っています。
突然退職した元従業員に対して、損害賠償請求はできるのでしょうか。できるとしたら、どういったケースが考えられるのでしょうか。天田圭介弁護士に聞きました。
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従業員が会社を辞める際には、いつまでにその旨を伝えれば良いのでしょうか。
「従業員が、企業との合意をせず一方的に労働契約を終了させる場合(辞職)には、期間の定めのない労働契約であれば、原則として2週間前には辞職を予告しなければなりません」
もし突然伝えた場合、その後の従業員の扱いはどうなるのでしょうか。
「従業員が、必要な予告期間を無視して勝手に退職日を設定し、その設定した退職日以後は出社しないという対応をした場合、従業員による退職日の設定は無効となります。その結果、必要な予告期間が満了した日が、退職日になります。したがって、従業員が設定した退職日以後については、無断欠勤という扱いになります」
企業は元従業員に対して、損害賠償請求はできるのでしょうか。
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「無断欠勤は、従業員による債務不履行です。したがって、企業は、無断欠勤と因果関係のある損害について、従業員に対して賠償請求をすることができます。
ただ、企業としては、損害や因果関係があることを立証しなければなりません。実際にはこの点の立証が容易でないケースも多いと思います。そこで、企業としては、損害や因果関係があるということを立証できる証拠を確認することが必要です」
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
天田 圭介(あまだ・けいすけ)弁護士
企業による適正な人事・労務管理の結果、労働者の権利が確保されるとの理念のもと、企業から人事・労務に関する多くの相談を受けるとともに、主に企業側の代理人として、多くの労働事件を手掛けている。東京弁護士会所属。
事務所名:天田綜合法律事務所
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