米カリフォルニア州の山火事から逃げた家族4人 助かった両親は我が子の死を知らず

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2017年11月03日 14:33  Techinsight Japan

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山火事から逃げようとしたシェパードさん一家(画像は『Inside Edition 2017年10月30日付「Family of 4 Runs For Their Lives From California Wildfire, Only Two Survive」(Mindi Ramos)』のスクリーンショット)
米カリフォルニア州北部で先月8日に発生した山火事では、約8700棟の建造物が焼失し、死者数は少なくとも42名、住民約10万人が避難を強いられるなど同州の山火事としては過去最悪の被害をもたらした。約991平方キロメートルが焼失したとされる地域では、今も行方不明者が10名を超え、家や家族を失った人々が必死に生きている。サンフランシスコから200キロほど北に位置するレッド・バレーで、迫りくる炎から必死で逃げた一家について『Inside Edition』が報じた。

レッド・バレーの山の中の一軒家に暮らしていたシェパードさん一家に火の手が迫ったのは、10月9日の午前1時頃。母親であるサラさんがきょうだいのミンディ・ラモスさんに緊急事態であることを伝えている。そして4人が近隣住民に発見されたのは同日午前5時半頃で、14歳のカイ・シェパード君は家の前の車道に停められた車のそばで息絶えていた。真夜中に火事に気付いた4人は車に飛び乗り逃げようと試みたものの、火の回りが予想以上に早く逃げ遅れてしまったとみられている。

他の3人は酷い火傷を負っていたもののかろうじて息をしており、それぞれ別々の病院に搬送された。サクラメントの病院に搬送されたカイ君の姉クレッサさん(17歳)は、火傷で損傷が酷かった両脚を膝下から切断するなど数回にわたる手術に耐え、わずかながらも回復の兆しを見せていた。しかし10月18日に心停止を起こし、29日に脳死の判定を受けて生命維持装置が外された。

車道を離れ大きな道路まで出ていた父親のジョンさん(44歳)は身体の45パーセントに火傷を負い、サンフランシスコのセント・フランシス・メモリアル病院へ、クレッサさんのそばで倒れ身体の60パーセントに火傷を負ったサラさんは、サクラメントのUC デイビス・メディカル・センターへそれぞれ搬送された。

ミンディさんは事故後、寄付金サイト「Generosity」に「一家は自分たちで建てた家を失いました。彼らが過ごしてきた日常が一瞬にして全て奪われてしまいました」と綴り、シェパードさん一家をサポートするための募金を呼び掛けている。

ミンディさんはそのサイトの中で家族の様子を随時報告しているが、彼女が綴る言葉には思わず胸を締め付けられる。

「サラもジョンも子供たちが亡くなったことを知りません。消防隊員は火事の現場でカイの亡骸にそっとカバーをかけて、他の家族に気づかれないように彼を車に乗せました。クレッサはあの日から20日後、痛みから解放されカイのもとに旅立ちました。」

「遺された2人は一進一退を繰り返し、体調がいい日もあれば、苦しくてどうにもならない日もあるようです。医師には2人が回復するにはもう少し時間が必要であり、それまで子供たちが亡くなったという事実を伝えないようにと言われています。これまでに何度も皮膚の移植手術を受け、2人は今も闘っています。私たちは祈るしかないのです。」

サラさんとジョンさんは火傷で肺にダメージを受け、わずかに囁くことはできるものの話すことができない状態で、ミンディさんは離れ離れの2人が何とか同じ病院で治療を受けられるよう手続きを進めている。

被害地域の復旧作業は来年のはじめ頃まで続くというが、人々に一日も早く笑顔が戻ることを願ってやまない。

画像は『Inside Edition 2017年10月30日付「Family of 4 Runs For Their Lives From California Wildfire, Only Two Survive」(Mindi Ramos)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

このニュースに関するつぶやき

  • この時期になると特に貧困層の家庭への「Hunger Donate」やクリスマスプレゼントの寄付などが増えてくる。と共に今年は山火事の寄付もスーパーなどでやっている。少額だけれど、毎回寄付するよう心がけしてる
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