つまり就職を希望する大学生の3人に1人が就職できない状況だ。「やはり長引く不況が原因なのか?」と考えてしまいそうだが、そうでもないらしい。
リクルート「就職白書2012」の調査では、3分の1以上の企業が、採用計画未達成で採用を終えていることがわかった。その理由のトップは「求める学生が集まらなかったから」だという。
2012年卒の大卒求人倍率は「1.23」。学生1人に対し、1.23人の求人があるわけだから、むしろ売り手市場である。事実、内定取得者の38.5%は2社以上の内定を得ている。
「働きたいけれど就職できない」という学生が3割、「いい人材が欲しいけど採用できない」という企業が3割。このミスマッチが、厳しいと言われるシューカツの実態なのだ。
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たとえば2004年にできた国際教養大学をご存知だろうか。秋田県秋田市に位置し、運営主体は秋田県。授業はすべて英語で行い、海外留学を最低1年間義務づけることで英語力をつける。また豊かな自然に囲まれたキャンパスで寮生活を送るため、おのずと勉強に専念することになる。学生はみっちりと英語漬け、勉強漬けの毎日を送っている。
この大学が、2011年12月10日発売の週刊ダイヤモンド「就職力(就職に強い大学)ランキング」では一橋大、京都大に次ぐ第3位となるなど、企業から大きな期待を寄せられている。同校の就職率は2007〜10年まで100%、11年は99.4%と、高い水準を保っている。
インターネットサービスの大手「楽天」が2012年7月1日から英語の公用語化をスタートしたことも象徴的だ。楽天は今後世界27カ国に進出し、売り上げの7割を海外で稼ぐ計画。「2006年当時、日本のGDP比率は世界で12%を占めていた。その頃の日本企業は国内でサービスだけで生き残れた。しかし20〜30年後にはGDP比率は5%以下に縮小する。そうした中では、ビジネスのグローバル化が不可欠だ」と2012年6月29日の社内公用語英語化に関する記者会見で三木谷社長は語った。もちろん英語で。
楽天のような大手企業なら、英語を公用語にするための社員教育に投資することは可能だろう。しかし多くの中小規模の企業では、グローバル化に生き残りをかけたいが、そのために新卒の学生をゼロから育てる余裕はない。即戦力のある、やる気のある人材の取り合いとなっている。
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【記事:リクルート進学ネット】