就職難と採用難は表と裏。3割のアンマッチを解消するのは英語力?

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2012年12月21日 12:30  mixiニュース

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来年3月卒業予定の大学生の10月1日時点での就職内定率は63・1%(前年同期比3・2ポイント増)で、過去最低だった平成22年度から2年連続で上昇したことが、文部科学省と厚生労働省の抽出調査で分かった。20年のリーマン・ショック以前の水準には戻っておらず、約15万7千人が内定を得られていないと推計。

つまり就職を希望する大学生の3人に1人が就職できない状況だ。「やはり長引く不況が原因なのか?」と考えてしまいそうだが、そうでもないらしい。

リクルート「就職白書2012」の調査では、3分の1以上の企業が、採用計画未達成で採用を終えていることがわかった。その理由のトップは「求める学生が集まらなかったから」だという。
2012年卒の大卒求人倍率は「1.23」。学生1人に対し、1.23人の求人があるわけだから、むしろ売り手市場である。事実、内定取得者の38.5%は2社以上の内定を得ている。

「働きたいけれど就職できない」という学生が3割、「いい人材が欲しいけど採用できない」という企業が3割。このミスマッチが、厳しいと言われるシューカツの実態なのだ。

では企業が欲しい「いい人材」とはどんなものなのか。「自主的に行動できる人材」「コミュニケーション能力が高い人材」・・・など色々あるだろうが、グローバル化に対応する「英語力がある人材」も大きく求められる人材の1つにあがるのではないだろうか。昔から英語力は必要とされるといわれてきたが、いよいよ本格的に求められていると感じる。

たとえば2004年にできた国際教養大学をご存知だろうか。秋田県秋田市に位置し、運営主体は秋田県。授業はすべて英語で行い、海外留学を最低1年間義務づけることで英語力をつける。また豊かな自然に囲まれたキャンパスで寮生活を送るため、おのずと勉強に専念することになる。学生はみっちりと英語漬け、勉強漬けの毎日を送っている。

この大学が、2011年12月10日発売の週刊ダイヤモンド「就職力(就職に強い大学)ランキング」では一橋大、京都大に次ぐ第3位となるなど、企業から大きな期待を寄せられている。同校の就職率は2007〜10年まで100%、11年は99.4%と、高い水準を保っている。

インターネットサービスの大手「楽天」が2012年7月1日から英語の公用語化をスタートしたことも象徴的だ。楽天は今後世界27カ国に進出し、売り上げの7割を海外で稼ぐ計画。「2006年当時、日本のGDP比率は世界で12%を占めていた。その頃の日本企業は国内でサービスだけで生き残れた。しかし20〜30年後にはGDP比率は5%以下に縮小する。そうした中では、ビジネスのグローバル化が不可欠だ」と2012年6月29日の社内公用語英語化に関する記者会見で三木谷社長は語った。もちろん英語で。

楽天のような大手企業なら、英語を公用語にするための社員教育に投資することは可能だろう。しかし多くの中小規模の企業では、グローバル化に生き残りをかけたいが、そのために新卒の学生をゼロから育てる余裕はない。即戦力のある、やる気のある人材の取り合いとなっている。

自分のライフプランと企業の求めるニーズをどうすり合わせるか。これからの高校生活、進路を考えるプロセスのなかで、ぜひその視点を育てていってほしい。そして志望校を選ぶときには、社会に出る意欲やキャリア開拓力を育ててくれるような仲間やスタッフに出会えそうかにも気をつけて、幅広い選択肢を検討してみてはいかがだろうか。

【記事:リクルート進学ネット】



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