子育ては絶え間なき汚れとの付き合い

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2013年12月13日 12:00  MAMApicks

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寒さがぎゅっと厳しくなり、布団が心地よい季節。風邪がはやり始め、昨冬の悲劇を思い出した。

10年越えの劇的にぺらぺらな布団をついに買い替え冬を迎え、ぴかぴかでふわふわでささやかな幸せを感じていたある日。

深夜、隣室から「おかぁさーん」と呼ぶ声。うーん仕事中なんだけど……また「一緒に寝て」か、しょうがないなぁ……。行ってみると、何かが違う。あ、まずい、何か受け止めるものっ!と思った瞬間、布団の上に吐く息子。

あぁ、そうだよね、やっぱりこういうことは起きるわけだよね……。どうせすぐにこうなるなら、もっと安いのにしとけばよかった……。ため息まじりで、ぴかぴか(だったはず)の布団を無理矢理部分洗い。

高級品ではないけれど、迷って最安値ラインよりちょっと上の布団を購入したため、悲しみは深い。

子育ては、絶え間なき汚れとの付き合いでもある。

■服やおもちゃは食べ物〜唾液系汚れ[求む!材質選び]
とにかく小さな子どもは絶えず口に何か入れていたいらしい。服の袖口、襟元、ファスナーの端っこ、フードのひも、とにかく口の届く範囲、やたらと口に入れ、ずっと噛んでいる。味わうように。

だから、寒くても毛糸ものの服はどうも着せる気にならない。第一に洗濯が手間だし、あのけばけばが全部口の中に入ったらモシャモシャしそうだ。

プレゼントに赤ちゃんサイズの上品なセーターをもらった時、気持ちは100パーセントうれしかったけれど、そもそもこのサイズのカシミアセーターは世の中に必要なのでしょうか、と、心で洋服メーカーに問いかけた。

どうせ噛むのです、するめのように……。いきなり噛みちぎるかもしれないのです、その高級素材を……。

■食べ物の半分はこぼれる〜ごはん系汚れ[求む!洗浄耐久性]
離乳食の始まりは、食べ物汚れのスタート。食べるおかゆより、顔につけるおかゆの方が多いし、お茶は飲むためでなく、手でちゃぷちゃぷしたり、最後にばしゃっとひっくり返すのを楽しむために置いているようなものだった。

とりあえず食べ物に親しめばそれでいいさ、と割り切っていても、毎度の掃除や片付けはなかなか大変だ。食べこぼしキャッチポケット付きの前掛けは、もはやスタンダード。そういう、洗濯機すら不要の、さっと汚れを流せるビニール・プラスチック系のグッズは本当に助かる。

ただ、1日に何度も汚れを洗い流すから、丈夫であって欲しい。品質を期待してデパートで買ったランチョンマットの絵柄があっという間に薄くなった時は、けっこうがっかりした。

■びしょびしょ!ざらざら!?汗・泥汚れ[求む!洗濯耐久性]
水でもかぶったの?というくらい、汗をよくかく。息子は大泣きするたびに、全身びっしょり汗をかいた。夏の睡眠中もすごい。昼寝明けや、夜中に一度全部着替えさせるレベル。外遊びが始まれば、砂場の主のズボンからは、ざらーっと砂が出てくる。

一日に何度も着替えるので、ひとつの服が洗濯される回数がすごく多い。真冬の上着だって、砂にまみれてあっという間に汚れるから、基本、丸洗いだ。

だから、洗濯に強い服は本当に助かる。

日々洗濯耐久テストをしているに等しいので、母親同士の「あそこのTシャツは安いけど丈夫」「あそこのは値段の割にすぐヨレヨレになる」などの印象は、けっこう一致するからおもしろい。

■上から下から出てくるもの?体調不良等[求む!メンテナンス性]
体調を崩した時やトイレトレーニング期は、いろいろ、出てくる。それを受け止めるのは、服だけじゃない。布団、床、家具、時に壁も。

だいたい、トイレに間に合わないのも、場所を選ばず吐いてしまうのも、不可抗力。小さい子どもなら当たり前で仕方ない。

……と、頭ではわかっていても、体から出たものの汚れというのは、我が子のものであっても、結構、主張が強い。そして、やっぱり処理するのは大変だ。特に洗えないものの汚れは途方に暮れる。

数年前、息子がひと晩中1時間ごとに吐き続けた時は、すべてを取り替えて処理して洗っている最中にまた次々に汚れていき、もうエンドレス。寝るためのあらゆる布が出払い洗濯の山。布団とカーペットは丸洗いできず部分洗いで深夜のベランダへ。

ヘトヘトで周りのお母さんに話したら、みんなそんな経験をしていて、「布団一枚捨てたよ」「ソファー処分した」……なんて話も。神経質になりすぎる必要は無いけれど、汚れの種類と状況によっては、感染も心配だし、もう捨てた方がはやい!というレベルに陥るケースもあるだろう。

洗いやすく掃除しやすい材質や構造のものは本当に助かる。ベビーチェアやベビーカーの布パーツが外して洗えるおかげで、どんなに助かったことか……。防水シーツが水際で最悪の事態を阻止してくれたことも多い。

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汚れと付き合うのに一番重要なのは、たぶん「汚れるのが当たり前」と思うこと。「汚れないように」するより、「汚していい」状態に気持ちや環境をシフトさせる方がはるかに楽だ。

さぁ、どんどん汚してどんどん洗おう!……なんて、そんなキレイゴト言えないほど、キレイにするのは大変なのですが。

あぁ、とりあえず、次に布団買うときは、もっと安いのでいいや。
……いやまて、次買うのが早くて10年後だとすると、もう息子は17才! そんな心配もうなくなっているんだ……。声も低くなってひげとか生えちゃってるんだ……ろう……な……。

狩野さやか
ウェブデザイナー、イラストレーター。企業や個人のサイト制作を幅広く手がける。子育てがきっかけで、子どもの発達や技能の獲得について強い興味を持ち、活動の場を広げつつある。2006年生まれの息子と夫の3人家族で東京に暮らす。リトミック研究センター認定指導者。

このニュースに関するつぶやき

  • もう自分一人だけ綺麗にお澄まししてないで、お世話できるようになりなさいって修行させてくれるワケでふね(・Д・)ノうむ
    • イイネ!7
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