【話題】「女子力」より「稼ぐ力」をと申されましても……

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2014年03月05日 12:01  MAMApicks

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先月、Webマガジン「Woman type」に掲載された、
「女子力を磨くより、稼ぐ力を身に付けなさい!」上野千鶴子さんが描く、働く女の未来予想図
http://womantype.jp/mag/archives/25053
という記事が話題になっている。

1986年に「男女雇用機会均等法」が施行されてから約30年経っていながら、働く女性の約6割が非正規雇用という現状。安倍政権が成長戦略の一環として女性の活用を掲げてはいるものの、その中身は「男性並みに働かせて使い倒す」か「非正規の労働力として使い捨てる」かの二通りで、活用の仕方を完全に間違えていると批評している。

また、産休育休の法整備が進んだとはいえ、職場復帰した女性が時短制度を利用するとキャリアコースが変わるという「マミートラック」についても言及し、日本企業の多くがいまだに男性中心のルールに則っていると指摘した。


働く女性の現状をこう説明した上で、上野氏は、「外食せずに家で鍋をつついて100円レンタルのDVDを観てユニクロを着ていれば十分生きていけるし幸せでしょう。それに、給料が安くても結婚すれば収入は倍になる。だから、年収800万の男性を狙うなどという確率の低いことに労力を割かず、自分に投資をして稼ぐ力をつけるべき。」と結論づけた。

この記事に対してツイッター上では、このような声が寄せられた。
「複数の選択肢からユニクロを選ぶのと、ユニクロしか着れない、では違うでしょう」
「画一的な幸せの押し付けから自由になろうというのがフェミニズムではないのか」
「職場でも“女子力”は求められてますよ。男性並みに働くだけでは女性は職場で認めてもらえません」
「“女子力を磨く”のも仕事のうち。女性が働くにあたって当然のように含まれている」
「女性が年収300万を確保するって簡単なことのように言わないでほしい」
「“稼ぐ力”のない普通の人が普通に生活できないって怖いことだと思う」
「“稼ぐ力”が必要など重々承知している。女性にとって厳しい労働環境でどうやってスキルアップしていくかが問題」
前半部分で働く女性の追いつめられた現状を的確に把握しているのに対して、後半部分では、「ユニクロでも着とけ」「女子力とかいらない」が火種となり、多くの批判意見が上がった。

上野氏がご指摘するとおり、「オレたちのルールに従えるなら、お前たちも仲間に入れてやっていいぞ」という男性中心の組織構成は依然として存在する。その中で非正規雇用などに甘んじている女性にとっては、働くことで搾取されるのに疲れて「専業主婦に……」という消極的な選択の場合もあって、ゆるふわお花畑だから専業主婦に憧れている、というわけでもないだろう。

共働きでも妻の家事負担の比率が大きいことをみても、無理に両方がんばって心身に支障をきたすよりは、専業主婦になる方が安全な道だと考えることも不思議ではない。上野氏がおっしゃる通り、年収800万円以上の独身男性は超稀少種なのだから、専業主婦になれる確率が低いことなど、当の本人たちが一番わかっているのだ。

男性社会のルールに不満を持ちつつも、誰もがそれに立ち向かう力を持ち合わせているわけではないし、立ち向かわなければならない、というわけでもない。男性社会に迎合することによってなんとか生きていく方法しか選択できない場合もある。

「稼ぐ力」が必要なのはもっともだ。しかし、女性が働くハードルが高い現状で、どんな形であれ働いている女性に対して、せめてフェミニストぐらいは「あっぱれ!」と応援してほしいと思ってしまう。

山本 佑美
フリーライター。在宅テレビ評論家。インターネットを軸として結婚、出産、子育てにまつわるあらゆる情報を収集、分析、発信している。自宅を中心に精力的に活動中。家族は夫と2歳の娘。江東区在住の愛鳥家。うずらとインコの飼育経験有り。

このニュースに関するつぶやき

  • 心身に支障をきたさない程度の労力なら、ナ。 女の生理による多様性をどうするのだろう。
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