NHKでは、日本人の生活や社会についての意見の動きをとらえる「日本人の意識」調査を1973年から5年ごとに実施しているが、2013年に実施した調査の結果が明らかになり、その概要が発表された。調査は全国の16歳以上の男女を対象に個人面接の形で行われ、今回の有効回答数は3070人であった。
その結果、40年間にわたる調査を通して意識の変化が大きく見受けられた項目のひとつが、結婚にまつわる質問。まず、結婚した女性が職業をもち続けることについて、1973年の調査当時は【結婚しても子どもができるまでは、職業をもっていたほうがよい】が42%でもっとも多い意見で、次に【結婚したら、家庭を守ることに専念したほうがよい】が35%、【結婚して子どもが生まれても、できるだけ職業を持ち続けたほうがよい】は20%で最も少なかった。
しかしその3つの意識は世代の移り変わりとともに傾向が推移して、1983年には「職業を持ち続けたほうがよい」が「家庭を守ることに専念」を逆転、さらに1998年には「子どもができるまで」も追い越して、最も多い意見になった。
そしてこのたびの2013年調査では、【結婚して子どもが生まれても、できるだけ職業を持ち続けたほうがよい】は過半数の56%を占め、【結婚しても子どもができるまでは、職業をもっていたほうがよい】が31%、【結婚したら、家庭を守ることに専念したほうがよい】は11%と少数派に転じたことが明らかになった。
また、結婚により子どもを持つことへの意識もこの20年で変化が見られ、1993年には【結婚したら、子どもをもつのが当たり前だ】という人が過半数の54%、【結婚しても、必ずしも子どもをもたなくてもよい】という人が40%であったが、このたびの2013年調査結果では、前者が39%、後者が過半数超えの55%と、意識が完全に逆転したこともわかった。
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【PDF】第9回「日本人の意識」調査(2013)結果の概要|NHK放送文化研究所http://www.nhk.or.jp/bunken/summary/yoron/social/pdf/140520.pdf