貧困層で肝臓ガンと口腔ガン、富裕層で皮膚ガンが激増。生活習慣で大きな差。(英)

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2014年06月22日 15:21  Techinsight Japan

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生活習慣や嗜好品によって、かかりやすい病気があることはご存知の通りである。最近のイギリスでもそれは同じこと。さらに、土地柄や貧富の差によっても各種のガンは発症率に大きな差を生むという。その理由とは…!?

このほど英・国家統計局(Office for National Statistics)が、ガンをテーマにした最新調査結果を発表した。イングランドおよびウェールズで2012年に確認された各種ガンの患者数と、2003年データとの増加率は以下の通りである。

・Liver<肝臓ガン>2,478……66%
・Malignant melanoma(skin)<悪性黒色腫(メラノーマ)>11,281……61%
・Mouth and throat<口腔ガン>6,609……48%
・Kidney<腎臓ガン>7,366……46%
・Uterus<子宮体ガン>6,946……31%
・Prostate<前立腺ガン>37,136……28%
・Breast<乳ガン>42,489……12%

率の高い順に肝臓ガン、悪性黒色腫(メラノーマ)、口腔ガン、腎臓ガン、子宮体ガン、前立腺ガン、乳ガンと並ぶ。人口の高齢化もガン患者が増加した一因だが、肝臓ガン、悪性黒色腫、口腔ガンなどでは暮らし向きや生活習慣に由来するものが多く、それが改善されればいずれは患者数の減少も期待できるという。

まずは肝臓ガンから。このたびの発表では「早期発見が難しく、5年後に生存しているのは20人に1人という難治の病でありながら、発症率は1995年から2012年の間で激増している」と説明された。英・ガン研究団体「Cancer Research UK」のニコラ・スミス氏は、その原因は大量飲酒とC型肝炎だと明言している。

続いては48%も患者数が増えた口腔ガン。このガンの原因にアルコールや喫煙が挙げられるが、喫煙者の発症率は非喫煙者のそれとは比べ物にならないほど高いという。英・公衆衛生サービス(Public Health England)のジョン・ニュートン教授は、「喫煙やアルコール依存を嫌い、よく歯磨きをする富裕層の人々は肝臓ガンや口腔ガンを自然と遠ざけている」と評価した。口腔ガンは舌や歯茎など目に見えるところに発生することが殆どであるため、歯科定期健診に積極的な富裕層では早期発見も可能であろう。もっとも富裕層が心配すべきガンもある。それは悪性黒色腫(メラノーマ)と呼ばれる皮膚ガン。海外のビーチリゾートで過ごすバケーションが大好きな(大好きだった)人々の間を中心に、有害な紫外線を浴び過ぎたことで61%も発症率がアップしたのである。

ちなみに女性のガンとして患者数が急増しているのは子宮体ガン。肥満と喫煙がダブルパンチとなっているケースが多いという。乳ガンについては、女優アンジェリーナ・ジョリーの両乳房切除手術をきっかけに「特定のガン抑制遺伝子に変異があるか否か」が話題になっていたが、乳ガン発症者の約90%は抑制遺伝子に問題はなく、生活習慣が原因とみなされているのが現状。アルコール、肥満、喫煙はやはり大きな危険因子だという。

またアルコールや喫煙への依存傾向は、寒さや雪が厳しい北の地方でより顕著であり、肝臓ガンや口腔ガンの発症率は気候の穏やかな南の地方より10%高いとのこと。「健康のためにお酒やタバコをやめるか控えるようにし、質の良い食事を摂りましょう。適正体重を維持するためにも適度の運動を。また乱れた性生活やドラッグ使用を避ける、そんな心がけが求められます」とまとめられた。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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