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「一迅社」公式HPより。
数多くの「東方Project」の書籍を担当した一迅社の編集者・小此木哲朗氏が、同社の退社を決めたことを明らかにし、業界内では「一迅社は大丈夫か」という噂が広まっている。ついにはKADOKAWAが進めている新たな出版社買収の動きとリンクしているのでは、という話も出てきて、噂が噂を呼んでいる状況だ。
一迅社は、2005年に「月刊Gファンタジー」(スクウェア・エニックス)の編集長だった杉野庸介氏が設立した一賽舎と、スタジオディー・エヌ・エーが合併して誕生。月刊誌「ComicREX」を始め、ライトノベルレーベルなどを立ち上げてきた。
一迅社の「東方Project」関連作品では、「Comic REX」などに連載された『東方儚月抄』、「Febri」で連載中の『東方茨歌仙 〜 Wild and Horned Hermit.』などがある。件の小此木氏が担当したこれらの作品は、いわば同社のドル箱としての位置を占めていた。
というのも、現在のオタク系出版社の中で、同社の看板となる作品などが落ち込んでいるからだ。一時、作者が病気療養のため休載して注目を集めた『かんなぎ』は現在も連載中だが、もはや、かつてほどの人気を有してはいない。2010年に創刊されて話題を集めた男の娘専門誌「わぁい!」も注目こそ集めたものの、ニッチ過ぎたのか今年2月発売の16号をもって休刊している。こうした状況もあってか、業界内では「今、小此木さんが辞めたら、一迅社は相当ヤバイ」と語られている。
これと軌を一にして噂されているのが、KADOKAWAが新たに出版社の買収交渉を進めているという話だ。どの社が買収の対象となっているかは明らかではないが、一迅社はKADOKAWAによる買収の対象になっていると、まことしやかに語られる会社のひとつでもある。
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エース編集者とはいえ、一人の社員が退社するだけで「危ない」と噂されてしまう一迅社。こうしたネガティブ情報が集中する原因は、同社社長・杉野庸介氏にあるとの声も聞こえてくる。編集者としては実績のある杉野氏だが、関係者の間では、「企画の話をすると、最初は調子よくやる気を見せているのに、いざ動き出そうとしたら"この話はなかったことに"と手のひら返しを何度も味わわせてくれる」といった批判もあるそうだ。
はたして、一社員の退社が注目を集めるほどの一迅社の実情とは? 今後の動きも追っていきたい。
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