今度こそなんらかの完結はあるのか? 『幻魔大戦』がウェブコミックでまさかの復活!

386

2014年08月27日 22:10  おたぽる

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

おたぽる

小学館の「クラブサンデー」より。

 平井和正と石ノ森章太郎、SF小説とマンガの二人の巨匠によって生み出された名作『幻魔大戦』が、8月から小学館のウェブマンガサイト「クラブサンデー」でまさかの復活を遂げている。



 1967年に「週刊少年マガジン」(講談社)で連載が始まって以来、小説・マンガ、そして映画まで作られたのに、未だに完結していないこの作品。今度こそ読者が納得する完結はあり得るのだろうか......。



『幻魔大戦』は、これまでも何度も復活と中断を繰り返してきた。1967年から連載が始まったいわゆる「少年マガジン版」は、敵のボスである幻魔大王からの挑戦状として、地球に向けて月が堕ちてくるという絶望的なシーンで連載が終了。続いて、「S-Fマガジン」(早川書房)で連載された『新幻魔大戦』は、冒頭で、主人公の東丈が存在しない時間軸であることが描かれ、超能力に目覚めたヒロイン・香川千波が江戸時代へとタイムリープし、現代に幻魔に対抗できる超能力者を生み出すという使命を果たすという物語が......展開するかと思ったら、由井正雪やらなにやらが登場し、混乱のままに物語は「第一部・完」として終了。この時点で、物語には平井のもうひとつの代表作である「アダルト・ウルフガイ」シリーズとの関連性を想起させる犬神一族が登場し、読者に期待と困惑を与えていた。



 これを経て1978年からは平井は小説で、石ノ森はマンガで別個に物語を描くことになる。石ノ森は1979年から、月が落ち壊滅した後の地球を舞台にした『幻魔大戦 神話前夜の章』を徳間書店の「月刊リュウ」で連載するが、こちらも途中で打ち切りに。平井も同じく徳間書店の「SFアドベンチャー」に、『真幻魔大戦』を連載する。ところが、これも1985年に「犬神明の言霊が来た」という理由で「ウルフガイ」シリーズを再開するために中断して未完に。



 その後も、平井は2005年から電子書籍で『幻魔大戦deep』と『幻魔大戦deep トルテック』を上梓している。また「ウルフガイ」シリーズの続編だと思っていた「月光魔術團」シリーズは、第三部のサブタイトルが「幻魔大戦DNA」に。もはやディープなSFファンでも「『幻魔大戦』はどうなってるの?」と聞かれて「今、こんな話が展開しているんだよ!」と答えられる人はそうそういない。



 もはや、ほとんどの人が「なんでもいいから完結させてくれないか」と思っている作品。それが『幻魔大戦』への評価であろう。



 そんな中で、まさかの復活を遂げたマンガ版。今回こそは、なにかしらの形で完結してくれるのではと、期待が膨らむ。というのも、作画を担当する早瀬マサト・石森プロと共に名を連ねている脚本担当が、七月鏡一だからである。七月といえば『ARMS』『闇のイージス』などで知られるベテランのマンガ原作者。その手腕には期待が膨らむばかりである。



 そんな七月の原作による第一話は、「少年マガジン版」の直後からスタート。やっぱり月を落とされて人類は敗北していたという絶望からの出発である。再び敗北したサイボーグ戦士・ベガの前に姿を現すのは、ヒロイン・ルナの娘を名乗るステラ。あれ......『新幻魔大戦』じゃないよな? そして、物語は現代、過去を何も知らない東丈の姿までが描かれている。



 果たして、新たな......いや、何度目かの仕切り直しの幻魔との対決は決着するのか? 今回ばかりは信じていいよね?
(文/昼間たかし)



■クラブサンデー『幻魔大戦 Rebirth』
http://club.shogakukan.co.jp/book/detail-book/book_group_id/287/



このニュースに関するつぶやき

  • 石森愛に満ちた炎尾燃先生が描いてくれないものか。超能力なんか使わず、熱血パンチ一発で幻魔がぶちのめされる。
    • イイネ!6
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(198件)

オススメゲーム

ニュース設定