スフィアの妹分か!? ミュージックレインの思惑が透けて見えた「声優アニメディア」

――昨今の声優人気に伴い、気がつけば声優専門誌も定期・不定期を合わせて10誌以上が刊行されている。そんな"声優誌 群雄割拠"の時代にあって、各誌はどのような記事・企画をとりあげているのだろうか？　主要な声優誌を中心に、目玉記事や気になる企画などを紹介しつつ、各誌の特徴を分析していく――

■「声優アニメディア」2014年10月号
出版社...学研パブリッシング
発売日...9月10日（毎月10日発売）
価格......1250円＋税
創刊......2004年

「声優アニメディア」（以下、「声アニ」）10月号の表紙＆巻頭特集は、赤メガネ姿が目を惹く内田真礼。意外なことに、ソロで本誌の表紙を飾るのは初めてとのこと。

　巻頭特集では「秋」をテーマにさまざまな衣装に挑戦しており、表紙のメガネ姿も「読書の秋」をイメージした文学少女というわけだ。ただし気になったのは、内田が表紙で抱えている本が洋書だったこと。おそらくハウススタジオの小道具をそのまま利用したと思われるが、どうせなら和書を持たせてほしかった。

　そのほか、芸術の秋ではベレー帽をかぶり、食欲の秋ではエプロン姿でハンバーグを焼き、スポーツの秋では肌色成分多めの衣装でバランスボールと戯れる姿を披露。ボリューム満点の内容で、ファン垂涎の仕上がりとなっている。しかし、今回の特集では痛恨の誤植が発生。読書・芸術・食欲・スポーツのテーマごとに内田のコメントが入っているのだが、「食欲の秋」のページの見出しが「芸術の秋」となっている。

　この誤植があるページは、内田がカメラに向かってハンバーグを「ア〜ン」しているサービスカット。もしかしたら校正担当者も、彼女の写真に気を取られて誤植に気がつかなかったのかもしれない。

　さて、そのほかで気になったのは『「TRYangle harmony」presents トライアングルステージ!!! in 日本青年館』の記事。「TRYangle harmony」とは、ミュージックレイン所属の雨宮天・麻倉もも・夏川椎菜がパーソナリティを務めるラジオ番組だ。8月17日、同番組の公開収録を兼ねたイベント＆ライブが開催され、そのリポート記事が掲載されている。

　このページのあとには、雨宮がイベントの感想を語った1Pインタビュー、麻倉の1P連載「もも色ダイアリー」、さらには本誌初登場となる夏川の2Pインタビューが続き、「もしかして、そろそろ来るのか？」と思わずにはいられなかった。何が来るかと言えば、もちろん3人のユニット結成である。

　彼女たちが所属するミュージックレインには、人気声優ユニット・スフィアの4人（高垣彩陽、豊崎愛生、戸松遥、寿美菜子）がおり、「第一回ミュージックレイン スーパー声優オーディション」の合格者で構成されている。同オーディションは2005年〜2006年に開催され、個別の活動を続ける一方で「ミュージックレインgirls」として4人でライブやイベント活動を行っていた。そして、2009年に正式にユニット結成が発表され、晴れてスフィアが誕生したのだ。

　雨宮たち3人は「第二回ミュージックレイン スーパー声優オーディション」（2011年）の合格者であり、スフィアの妹分としてユニットを結成する可能性は非常に高い......というか既定路線とも思われる。3人のなかでは雨宮の知名度が抜きん出ているが、麻倉は今年に入ってから「声アニ」で連載を開始し、夏川は10月開始のアニメ『天体のメソッド』で初めての主演をゲット。スフィアの4人がオーディション合格から3年後にユニット結成したと考えれば、彼女たちも"そろそろ"なのだ。

　そして、これは穿った見方かもしれないが、「TRYangle harmony」の「TRYangle（トライアングル）」というネーミングセンスは、声優の一ラジオ番組のタイトルとしては凝りすぎているような気もする。実はミュージックレイン主導のネーミングで、これがそのままユニット名になっても不思議ではない......かもしれないのだ。

　12月には「トライアングルステージ!!!」の第二回イベントが開催されるが、このイベントの副題である「STEP」もヒジョーに意味深。スフィア結成がミュージックレインgirlsのイベント中にサプライズ発表されただけに、12月の次回イベントでいよいよユニット結成なるか!?
（文／神楽坂隆）