"食玩"がまさかの9990円!? バンダイ・キャンディ事業部に聞く、進化する食玩事情

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2014年10月14日 12:50  おたぽる

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おたぽる

噂のネオ・ジオング。値段も納得の大きさ…!

 スーパーマーケットやコンビニエンスストアのお菓子コーナーの花形といえば、人気の特撮ヒーローやアニメキャラの玩具や、ミニカー、シールなど思わずコレクションしたくなるおまけがお菓子についてくる「食玩」だ!



 古くは「仮面ライダーチップス」「ビッグワンガム」「ビックリマンチョコ」が日本中の子供たちを魅了したほか、1990年代後半には「チョコエッグ」など大人も巻き込んだ大ヒット食玩が出現したことを覚えている読者も多いだろう。いつの時代も「食玩」は、子供から大人まで、年齢を問わず楽しめる人気商品なのだ。



 そんな食玩シーンの中で、近年、特に個性的なアイテムを立て続けに販売しているのが、株式会社バンダイのキャンディ事業部だ。



 同事業部は人気アニメの食玩のみならず、オリジナルのカードがおまけについてくる「神羅万象チョコ」や、パーツを自由に組み替えて遊べるオリジナルロボフィギュアがついてくる「破幻のジスタチョコ」など、大人も子供も思わず手に取ってコレクションしたくなるハイクオリティな食玩を続々リリースしている。



 さらに先日、有明ビッグサイトで開催された「第54回全日本模型ホビーショー」では、食玩の常識を覆すような精緻な造形で作られた『ドラゴンボール』キャラのフィギュア付き食玩「ドラゴンボールスタイリング」や、全高約400mmという食玩の常識を凌駕する巨大さを誇る、『機動戦士ガンダムUC』に登場した巨大MA(モビルアーマー)・ネオ・ジオング(お値段は9990円!)など、食玩の限界に挑戦するようなアイテムを複数展示。攻めの姿勢のラインナップに注目が集まった。



 そこで、今回は現在の食玩事情や同事業部が目指す今後の食玩について、「第54回全日本模型ホビーショー」で株式会社バンダイ・キャンディ事業部の谷澤さんにお話を聞いてみた!



――食玩全体のクオリティが、すさまじい勢いで上がっている印象のある昨今ですが、中でもバンダイの食玩は頭一つ飛び出ている感じがあります。今回のホビーショーでいうと、「ドラゴンボールスタイリング」のクオリティには本当に驚かされました。これ、本当に食玩なんですよね?



谷澤 はい。一般のお店様でも販売いたします。さらに仕様にこだわったものは、どうしても価格が上がってしまうので、そういったものはプレミアムバンダイで販売します。弊社の食玩は、そのスタイルが多いです。食玩はお菓子が付いていることで、スーパーやコンビニのお菓子売り場で販売できます。そのため、コレクターではない一般のお客さんが気軽に商品を買える場に置ける点がメリットだと思いますし、それが食玩の存在意義だと思っています。



 基本はそこに軸足を置きつつも、通常432円のシリーズである「ASSAULT KINGDOM」で9990円もするネオ・ジオングを作ってしまったりもします(笑)。これは、「ASSAULT KINGDOM」シリーズのサイズに合わせてネオ・ジオングを作ってみたら、このサイズになっちゃいました、という形です。もちろん、既に販売している「ASSAULT KINGDOM」のシナンジュを搭乗させることもできますよ(※ネオ・ジオングには彩色強化版のシナンジュが新たに付属します)。さすがにこの値段と大きさのものを店頭に置くことはできないので、これはweb通販専売とさせていただきました。



――なるほど、「ネオ・ジオング」はシリーズ展開の関係で異例の大きさと値段にならざるを得なかったということなんですね。食玩というと、一昔前だとお母さんが子供に買ってあげるものというイメージでしたが、今は大人も楽しめる商品が多い印象です。



谷澤 そうですね。以前は、値段も安い代わりにクオリティもそれなりというのが食玩のイメージでした。ただそこはバンダイというメーカーとして、できるだけいいものを出したいという思いの下、クオリティを追求してきた結果だと思います。



――現在の食玩のメインターゲットは、何歳くらいでしょうか?



谷澤 1〜3歳のお子様向けに『アンパンマン』や、『プリキュア』『スーパー戦隊』『仮面ライダー』など幼稚園児向けのもの。小学生以上にも『ポケモン』『妖怪ウォッチ』『アイカツ!』や、大人向けの『ガンダム』、オリジナル商品『破幻のジスタ』『神羅万象チョコ』『もじバケる』『ハコビジョン』など幅広く設定しています。特に大人の方はコンビニでお買い物をされる方が多いので、そこで売られる食玩との親和性は高いと思います。



――バンダイではプラモや通常の玩具も販売されており、食玩はそこと競合する部分も多いと思います。そこで食玩ならではの魅力は、どのような部分にあると思いますか?



谷澤 『ガンダム』でいうとプラモデルやコレクター向けの超合金など、クオリティが非常に高い商品が出ていますが、値段もそれに合わせて数千円〜1万円を超える設定となっています。本物志向のお客様はそういうものを求めてらっしゃると思うのですが、日常生活の中で「これ、ちょっといいな」と思えるお手軽な商品を提供できる点が食玩の強みだと思っています。そのため、値段も数百円ですし、高額な商品とは買う時の目的が異なります。どうしても欲しいプラモデルやフィギュアを目的にお店に向かうのではなく、たまたま行ったコンビニで見つけたから買おうかなとか、ほかのお菓子のついでに買おうかな、という風に手に取ってもらっていると思いますし、そのように受け入れていただけるとうれしいですね。もちろんそこから食玩のブランドが好きになって、食玩を目的にお店まで買いに来ていただけると、よりうれしいです。



――商品開発をする上での苦労は、どんなものがあるのでしょうか?



谷澤 最近は500円を超える商品もいくつかはあるのですが、基本的には100〜400円くらいの間で販売させてもらっているので、クオリティと価格の調整は毎回難しいですね。ただ、今後も値段との兼ね合いを考えつつも、その中でクオリティを追求していきたいと考えています。



※※※※※※※※※



 様々な制約を受けながらも、アイデアと玩具への愛情で食玩の最先端を切り開き続けるバンダイ・キャンディ事業部は、これからも買い物の合間に思わず目を引く意欲的なアイテムを生み出し続けることだろう。



 次にコンビニやスーパーに行った時は、ちょっとお菓子コーナーに立ち寄って、食玩を手に取ってみてはどうだろうか。
(取材・構成/有田俊[シティ・コネクション])



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