【アニメキャラの魅力】苦悩の主人公「碇シンジ」に秘められた魅力とは?『新世紀エヴァンゲリオン』

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2014年11月24日 09:00  キャラペディア

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(C)GAINAX・カラー/Project Eva.
一時は社会現象まで引き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公「碇シンジ」。優しいけれどちょっと頼りない彼は、エヴァに登場するキャラクターの中ではあまりその魅力について語られる機会が少ないように思えます。しかし、作中においては確かに多くの人を惹きつけており、視聴者にはなかなか伝わりづらい魅力があるのです。それでは、そのシンジ君の持つ魅力について考えてみましょう。


【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】


■母性本能をくすぐる?

 シンジ君は優柔不断で臆病な少年。自分に対して自信もなく、いわゆる放っておけないタイプのキャラクターです。それだけでも、ミサトさんのような母性を持つ(あるいは持ちたいと思っている)キャラクターからは魅力的な存在だといえるでしょう。逆にそれが、アスカや綾波のように母性を育てる結果につながることもあります。また、カヲル君がシンジ君のことを一際好意的にみている理由も、彼が第一使徒アダムとして使徒を生み出した母なる存在であり、強い母性を持っているからなのかもしれません。

■生々しいほどの人間らしさ

 架空のキャラクターというのは、ある程度一貫した信念を持ち、それに伴った行動を行うことで生き生きと魅力的に描かれます。しかし、シンジ君の場合は一般的なキャラクターのようにどっしりした芯がなく、その場その場で自分に都合の良いように解釈したり過度に拒絶したりして生きていきます。

 ただ、普通の人間であれば「さあ命を懸けて人類を守ろう」なんて言われても「はい。わかりました。」とはいかないはず。そういった意味で、彼の苦悩は普通の人間にとってみれば当たり前のことだといえます。その生々しいほどの人間らしさが、我々視聴者にとっては不快なものに映ることもあるわけですが、逆にこの“弱さ”“主人公とは思えない人間らしさ”は、同時に彼の何よりの魅力でもあると思うのです。

■父=理性を求める心

 シンジ君が一貫して持ち続けた思い。それは、父・ゲンドウに認められたいというものです。彼は幼い頃に母親を失くしているわけですが、母からの愛情(本能的な愛情)を欲しがる様子はほとんどありません。子どもならばほぼ無条件で受けられるはずの“母からの愛情”に対して、父からの愛情とは、厳しい事もともなう理性的な愛情といえるのではないでしょうか。故に父からの愛情は時に痛みを伴うもの。それでも父からの愛を求め続ける強さがシンジ君にはあるのでしょう。

 シンジ君は家事全般が得意で、本作上ではある意味もっとも母性的な存在として描かれています。逆に考えるとシンジ君に惹かれるキャラクターたちは、どこかで母性的な愛情を求めているのかもしれませんね。


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【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】


★記者:西森ゆう(キャラペディア公式ライター)

(C)GAINAX・カラー/Project Eva.

このニュースに関するつぶやき

  • ジンジから惹かれる要素はない。ただ彼の悲惨な生きざまを見届けずにはいられなくなる
    • イイネ!6
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