「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」原作者/Ark Performance先生インタビュー-前編-

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2015年01月28日 12:52  アニメ!アニメ!

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アニメ!アニメ!

「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」原作者/Ark Performance先生インタビュー-前編-
2013年10月より放送されたTVアニメシリーズ『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ‐』は、息もつかせぬ艦隊戦や「メンタルモデル」たちを中心に展開された魅力的な物語が見どころだ。さらにフルCGで制作されたセルルックのキャラクターや緻密にモデリングされた戦艦のビジュアルは、アニメファンだけでなくアニメ業界からも大きな注目を浴びた。
その『アルペジオ』が2015年、2本の劇場作品となって帰ってくる。まず上映されるのはテレビシリーズの再構成に40分の新作エピソードを加えた『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ‐ DC』。
アニメ!アニメ!では作品を生み出したArk Performance先生に、自身のマンガ、大好評だったテレビシリーズ、そしてこれから登場する劇場映画についてお話を伺った。なお、「Ark Performance」とはユニット名である。今回は中心人物である壱号(作画担当)と弐号(ストーリー担当)のお二方にお話をいただいている。
[取材・構成=細川洋平]

■ 『蒼き鋼のアルペジオ』誕生のきっかけ

―アニメ化され人気の『蒼き鋼のアルペジオ』ですが、作品誕生のきっかけを教えていただけますか。単行本の第一巻のあとがきには、「いくつか企画を出し続けてようやく実現したのがアルペジオだった」と書かれています。

弐号
正直を言えばアワーズでの打ち合わせを始める前、わたしたちはオリジナルを描くことを真剣に考えてはいませんでした。それまではメディアミックス作品を中心に描いていて、それが読者の方に評価をいただいていましたので、リスクの高いオリジナルを描こうという考えがなかったんです。
でも担当編集の野々口さんから「オリジナルで!」と誘われて、何度も打ち合わせも兼ねてご飯に誘っていただきました。最初はそれに応えるかたちで企画を出して行ったんです。

―そこで本格的に企画を練りはじめたと。

弐号
そうです。私たちはSFやメカ関係を多くやっていたので、その経験を踏まえたのと、あと女の子は絶対に出さないとダメだと思っていました。
80年代はメカと女の子という組み合わせが全盛だったと思いますが、私たちが『アルペジオ』を考え始めた頃はほとんどなかったんです。じゃあそれを元にし、何かを組み合わせようと考えました。空を舞台にするのはすでに『ストライクウィッチーズ』がありましたし、戦車は比較的描きやすいのでどこかで企画が動いているかも知れないと考えました。そこに私の艦(ふね)好きが重なったのと、それに「戦艦は描くのが大変だから誰も手を付けてないんじゃないか」と考えたんです。

―それは何年ぐらいの話でしょうか?

壱号
2009年ぐらいですね。連載開始前(2008年)の一年間は毎月一回ミーティングしていました。でも実際は雑談や無駄話ばっかりしていて、なかなか進まなかったんです。
でも『アルペジオ』の企画は割と急に出てきました。それを突然編集部に出して、編集長が企画を見て即決していただいたんです。

■ 戦艦と女の子で新しい絵を目指した

―初期の構想では、原作で言えばどの辺りまで存在したのですか?

壱号
もともとは三巻で終わることを前提に考えていました。物語が途中で終わるのは避けたいので……きちんと終わりを決められるようにです。編集部からも三巻を目処にやりましょうと言っていただいていたので。
ストーリーで言えばコンゴウ戦が終わるところです。一方で、もし人気が出て続くという事になった場合のことも考えて、その後の構想も一応、用意はしていたんです。

弐号
でも三巻を目処に、と考えていましたが実際には三巻、四巻と続き、アニメ化も決まりました。やれるところまでやろうと腹をくくったのは五巻目くらいです。

壱号
三巻というのはちょうど映画一本分くらいのサイズなんです。映画を作るつもりでやろうという気持ちでした。

―それは当初から映像化の目標を掲げて、ということですか?

壱号
意気込み的には映像化になっても恥ずかしくないものをと思ってはいました。

弐号
むしろアニメにできないものをマンガで作ろうという気持ちでいました。

―連載開始後、注目を集めましたが、その要因は何だと思われますか?

弐号
いろいろ考えましたが、今までにない“艦と女の子”の絵面を提供できたからかなと思っています。“艦の上に女の子がそのまま立っている”というアイデアは一番はじめに思いついていたんですが、すぐ捨てました。最初、これは扱いを間違えるとギャグになると思ったからです。
でもその後、いろいろな案を考えてみましたがうまく行かなくて、「もしかして」と思い返して一度捨てたアイデアを壱号に話しました。

壱号
弐号に「試しに描いてみてよ」って、言われました。

弐号
描いて貰ったら、よかったんですよね。それに女の子と戦艦のどちらもそのまま扱えるのは非常に魅力的でした。今までどこもやっていなかったので、それがよかったんだろうと思っています。

―先程、当初は映像化は考えてなかったとありましたが、アニメ化の話はいつ頃立ち上がったのでしょうか?

弐号
話が出て来たのは三巻が出る直前の2011年春ごろです。フライングドッグの南(健)プロデューサーから話をいただきました。

―アニメ化の話を聞いたときは、どうお感じになられましたか?

弐号
いいものを作ったと認めていただいたと言うことですから、うれしかったですね。最終的にはいくつかの会社さんからアニメの企画をいただいたんです。
そのなかから、艦をきちんと表現していただけるということから現在の企画になりました。サンジゲンさんでCGというのも理由のひとつです。

後編に続く

『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ‐ DC』
2015年1月31日公開

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  • なお、「Ark Performance」とはユニット名である。現在、伍号まで居る模様。
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