ウェストハムのサポーターが地下鉄内でユダヤ人に対する差別チャントを歌った様子を録画した動画が投稿されたことで、人種差別が再び問題になっている。イギリス紙の『メトロ』や『デイリーメール』など複数のメディアが報じた。
ウェストハムは、22日にアウェイで行われたプレミアリーグ第26節のトッテナム戦で2−2の引き分けに終わった。同試合の帰り道の地下鉄で、ウェストハムのサポーターが「俺は割礼してないぜ。お前はどうだ、ユダヤ人どもめ」という反ユダヤ人主義のチャントを歌っている動画がネットに投稿された。トッテナムのホームスタジアム付近はユダヤ人が多く住む地域として知られており、トッテナムが反ユダヤ主義のチャントの的になるケースが今までもあった。
皮肉にもこの動画は、17日に問題となったチェルシーサポーターの人種差別行動に対して、ウェストハムのサポーターが反人種差別を訴えた動画が掲載された数時間後に投稿された。
反人種差別団体「キックイットアウト(Kick it Out)」はイギリス鉄道警察にこの件を訴えるとともに、ウェストハムも公式に反差別主義を訴える弁明を発表している。
ウェストハムの広報担当者は「もし不適切な振る舞いを見せるならば、サポーターであろうと容赦なく裁かなければならない。最も厳しい制裁としてはスタジアムに一生立ち入り禁止にする措置も考えている」と罰則について言及。さらに、「もし誰かこの動画の当事者に関して何か情報を持っているならばクラブに知らせて欲しい。『キックイットアウト』とイギリス鉄道警察がそれについて徹底的に調査するだろう」と情報提供を求めた。
動画がソーシャルメディアに投稿された後、トッテナムも正式に当事者への処罰を要請している。