2015年2月24〜26日にベルサール渋谷ガーデンで開催された「Playtime Tokyo」を視察してきました。「Playtime Tokyo」は、子ども・マタニティ関連のブランドが集まる、バイヤーなど関係者対象の展示会。そこで見つけた「これいいな!」をレポートしてみたいと思います。
■存在感あり!
まずぱっと吸い寄せられたのがこちらSUNAO lab.の「きのこのうつわ」、ベビー食器セットです。
ご覧の通り、コップに器をかぶせればキノコの置物にしか見えない遊び心のある木の食器。そのシンプルだけれど行き届いた形状は、ひとつひとつ手作業で削り出して作られていて、すべすべの手触りがたまりません。
木の食器は扱いが難しそうなイメージがありますが、ブースにいらしたデザイナーの長尾朋貴さんご自身もお子さんが使っているそうで、日々使いこなせることは実証済み。
「レンジでチンできないの無理」とか「食洗機ダメなの困る」とか、そんな現実に負けたら、これはボーロなどお菓子を入れておいてもいいし、時々登場させて「今日はキノコランチの日」みたいに、子どものモチベーションアップに使う、などでも十分楽しめそうです。置いておくだけでも幸せな形をしています。
ボックスも工夫されているのでギフト用途にぴったりです。
SUNAO lab.http://sunao-lab.com/
■重力を感じよう!
遊びゴコロつながりで目を引いたのがこちら。見たとおりそのまま「りんごのけん玉」です。森林保全の活動をしているmore treesによるプロダクトで、デザインは鈴木康広氏。
どんどん使って、こんな風に傷ついていくまま楽しんでほしい、とブースの方。このデザインは、けん玉=重力利用=ニュートンのりんご、という発想からが来ているというのが、たまらないポイントです。子どもの心ど真ん中というより大人好みするコンセプトですが、一家にひとつあったらなんだか楽しそう。普通のけん玉とのハンデ用に、重力の生きた勉強に、いかがでしょう?
moreTreeshttp://more-trees.net
■主役はご飯粒!
ちょっとここで普段使いできそうなものを。codomono projectの「ノコサナイ茶碗」という子ども用のお茶碗です。
ご飯を最後のひと粒まで残さず食べて欲しいという気持ちが込められていて、内側に色がついているのが特徴。この色のバリエーションが、味の邪魔をしないギリギリのところで選ばれていてモダンで素敵です。
幼い頃から陶器の器で食べて欲しいという思いもあるそうですが、現実的には食器を投げなくなってから、ですね。小1くらいで陶器デビュー記念にプレゼントしたり、好きな色を子どもが自分で選ぶというのも楽しそうです。
ブルーバーズデザインの「codomono project」は、「ママデザイナー」のプロの視線と母親としての現場感覚を生かしてものづくりをしているブランドなのも注目。日本の伝統的な技術や素材が積極的に使われています。
codomono projecthttp://www.codomono-p.net
■遊び方が広がる!
一方こちらのbuchiは、木工メーカー酒井産業が、デザイナー柴田文江氏と組んで生まれたブランド。「ドミノ」や「パズル」のセットがあり、シンプルで色々な遊び方が広がりそうでワクワクします。
なんといってもこの縁の色がいい。子どもの頃によく見ていた色というのは結構いつまでも残るもの。明るくて淡すぎるパステルカラーでもなく、赤青黄の原色系でもなく、この配色には、どこか着物の柄を思い起こさせる日本らしさを感じます。
ちなみに、buchi(ブチ)はやっぱり、「縁(フチ)」からきているそうです。
buchihttp://www.buchi.co.jp
■おしゃれ着代わりに!
そしてこちら、nivaのビブです。注目したいのはこのドレスアップライン。これ、完全に「お洒落着」代わりに使えると思うのです。
乳児にお洒落着を着せたいシチュエーションは、限りなく少ない割にゼロではない。決して安くないお洒落着を用意しても間違いなくその1回しか着ないし、どんな服でも噛んで汚して汗かいて引っ張って……、は目に見えています。
その点、これならいつもの着慣れたロンパース類のまま、さっとその瞬間つけるだけで、ドレスアップ完了。ドレスやネクタイ気分が味わえます。デザインもさりげない可愛らしさで、コスプレ風に陥らずとても自然な装いができそうです。
育児の現実が見えていて実用的なおしゃれができるこの発想がすごくいい!と感じました。
nivahttp://niva.jp
■図鑑好きにはたまらない!
締めはこちらのTシャツ。CAST JAPANの扱うLion of Leisure、ベルギーのアントワープのブランドです。
なんといってもこの絵がいい。本物をしっかり描いていて表情もたたずまいもいいです。子どもはキャラクター化されたものに大人ほどさらされていないので、本物に近い絵の方が実は好きだったりします。
そして、「Pleased to meet you」ではなく「Pleased to Eat You!」になっているなど、コピーのセンスがまた、たまりません。
普段、予算最優先で明らかに間違った英文が書いてあるTシャツを着せている親としては、「これいいなぁ〜誰かプレゼントしてくれないかな〜」と、正直に思いました。
素材はオーガニックコットンで1枚ずつ手刷りされ、ライオン柄の巾着に入っているという、ギフトにも安心のクオリティです。
CAST JAPANhttp://www.cast-japan.com
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以上、いかがでしたでしょうか?
普段使いは難しくても、ギフトのアイディアになりそうなもの、ちょっと遊び心のあるもの、「あったらいいな!」と素直に思えるものをご紹介してみました。
Playtime Tokyohttp://www.playtimetokyo.com/
狩野さやかウェブデザイナー、イラストレーター。企業や個人のサイト制作を幅広く手がける。子育てがきっかけで、子どもの発達や技能の獲得について強い興味を持ち、活動の場を広げつつある。2006年生まれの息子と夫の3人家族で東京に暮らす。リトミック研究センター認定指導者。