「親のエゴ」でなく生まれる子はいない?

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2015年03月18日 10:32  MAMApicks

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唐突ですが、お尋ねです。みなさんは、どうして子どもを持とう、あるいは産もうと思われたのでしょうか? それはいつ頃からでしょうか?

筆者の場合は、わりと昔から「いつか子どもを持とう」と思っていました。ダンナはどっちでもいいけれど(いてもいなくても)、子どもは絶対欲しい、と。そう思ったのは、中学生くらいからだったでしょうか。



■「何か残したい」欲と、「機能を使いたい」欲
どうして子どもを持とうと思ったか? 筆者の場合は、こんな理由でした。

理由、その1。
いつか死ぬことが怖すぎて、自分の一部分を何かこの世に残せれば、安心して死ねるような気がしたから。自分の子どもを持てれば、それが叶うように思ったのです。

だから実際、子ども産んだときは、「あー、これでいつでもいいや」と、ちょっと思いました。いまは、「わたし抜きで子どもが生きていけるところまで見届けないと死ねませんわ」と思っていますけれど。

もしかしたらピンとこない人もいるかもしれません。死ぬことを怖いと感じるかどうかは、かなり個人差があるようなので。「なかにはそういう人もいるんだな」と思っていただければと……。

理由、その2。
「付いている機能だから試したい」という気持ちもありました。
子どもを産める機能が己の身体についているので、これは使っておきたい、というような願望です。

たとえば新しい電化製品を買ったとき、「こんなスゴイことができますよ!」という売りの機能があったら、やっぱり「使ってみたい」と思うではありませんか? 使っておかないと損、という気がしてしまう。それと近い感覚じゃないかと思います。

ほかにも理由はいろいろあるのですが、わりとシンプルなのは、このあたりです。

たまに「子どもを持ちたいなら、自分の子どもでなく、里子や養子でもいいのでは?」という声も聞かれますが、筆者は上記のような理由で子どもを持ちたかったので、可能ならやはり自分の身体で産みたい、と思っていたのでした。

■言語化はしづらいけれど、なんとなく
「ほかの人は、どうして子どもを持とうと思ったのだろう?」と思い、以前ツイッターで投げかけてみたことがあります。すると、こんな答えが返ってきました。

「子宮の手術をした後、『子どもができないかも』と言われて、逆にやる気になった」
「遺伝子保存の本能、理屈ではない情動」
「ミーム(文化の遺伝子)の伝達」
「子どもが好きで、“自分の子”というのがどうしても欲しかった。親子というものが特別な関係に思えてならず、“子の親”になりたかった」
「(パートナーとの)かすがいとして。ふたりの関係を強めるため」

などなど。筆者と似たようなところで、「生きた証を残したかった」とか、「機能を使いたかった」という人もいました。

一番多かったのは、「言語化はしづらいけれど、なんとなくそう(子どもをもつと)思っていた」という声です。

そんななかでも、わりとはっきりと理由を教えてくれたのは、レズビアンカップルの友人たちでした。彼女たちは、「なぜ子どもが欲しいか?」ということを、ヘテロ(異性愛)のカップルよりも深く考えざるを得ないのでしょう。

また意外に多かったのは、「じつは、あまり子どもが欲しいと思っていなかったけれど、子どもができた。生まれてみたら、かわいかった」という人です。結果オーライですから、それはそれでよかったね、と思うところです。

■2人目以降をもちたい理由はまた違う
なお、ここまでに挙げたのは「1人目」の子どもが欲しいと思った理由です。「2人目以降」は、またちょっと理由が異なるようです。これもツイッターで聞いてみたところ、

「1人目を産んでみたら楽しかったので、もう1人ほしくなった」
「もう1人増えると、生活が面白くなりそうだから」

などの声がありました。

筆者の場合、2人目を欲しいと思った最大の理由は、「リベンジ欲」でした。

1人目は出産してすぐに離婚してしまったので(見事な“産後クライシス”←12年前当時、そんな言葉はまだありませんでしたが)、「次こそはうまくやりたい!」という願望が強烈にあったのです。

正確に言うと、子どもを欲しいというよりも、「パートナーとの子育て作業に成功したい願望」だったかもしれません。たぶん筆者の頭のなかに、「協力して子育てをする理想のカップル像」みたいなものがあって、それを実現したかったのでしょう。

結局は時期を逸し、2人目の子どもをもつことはなかったのですが、今はそれでよかったような気がしています。

■子ども本人のために子どもを持つわけでなし
それにしても、こう書き並べてみると、我ながら自分勝手な理由ばかりです。

少なくとも、「産まれてくる子ども自身のために、子どもをつくろう」という人はいないでしょうから(いたら胡散臭いかなと)、やっぱりある意味「親のエゴ」で、子どもを持ちたいと思うのです。

もちろん、ひとたび子どもがお腹に宿れば、「その子に会いたい」という気持ちが子どもを産みたい最大の動機になったことはたしかなのですが。

大塚 玲子
編集者&ライター。都内の編集プロダクションや出版社に勤めたのち、妊娠を機にフリーとなる。以来、書籍やムックの企画・編集・執筆などを行い、2014年からはWeb媒体にデビュー。結婚・離婚や子どもと家族をテーマにした仕事を数多く手がける。

このニュースに関するつぶやき

  • 息子のミコ君は喋れるようになった頃「上の方から女の人が並んでいるのをじろじろみて、この人優しそうだからこの人にしようってママを選んで産まれてきたよ」って言ったのでびっくりした! 親のエゴで子供を産むとかそんなんじゃないように思う〜。
    • イイネ!99
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