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4月5日、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する"ロンギヌスの槍"を実際に月面に刺す企画『ロンギヌスの槍を月に刺すプロジェクト』が頓挫した。この知らせに、同作の主人公・碇シンジの声優・緒方恵美が自身のTwitterで「...残念でしたね」とつぶやくなど、ネットには悲しみの声が上がっていた。だがその一方で、ネット上の大方の声は「成立しなくてよかった」「企画がなくなって安心した」といった安堵の声だった。
『ロンギヌスの槍を月に刺すプロジェクト』は1月30日より「READYFOR?」にてクラウドファンディングが実施されていた。その目標額は、ロンギヌスの槍を月まで運ぶのに必要な金額である1億円。スタートから38日間で3538万円という日本のクラウドファンディング史上最高額が集まったものの、最終的に5469万5000円にとどまり、企画は中止となった。
そんな当プロジェクトには、発表当初からさまざまな観点からツッコミが入っていた。まずファンから上がっていたのは、使用するロンギヌスの槍の大きさについて。作中では巨大なエヴァンゲリオンに相当する大きさのロンギヌスの槍だが、実際使用予定だったものはたったの24センチ。ネットには「小さすぎる」「がっかり」と落胆する声が上がっていた。これだけならまだしも、そもそも月にロンギヌスの槍を刺すことが宇宙法といった法的に問題ないのかと不安視する声や、近年注目を集める宇宙ごみ(スペースデブリ)問題を取り上げ「宇宙に無用なゴミを置くな」という批判的な意見も噴出することに。さらには、「キリスト教の聖槍と同じ名であるロンギヌスの槍を、さまざまな宗教の信仰の対象である月に刺すのはいかがなものか」という意見も上がり、このプロジェクトが実施された場合「宗教問題に発展するのでは」と危惧する声も上がっていたのだ。
最終的にはこれらの心配も企画中止によって杞憂に終わった『ロンギヌスの槍を月に刺すプロジェクト』。"夢のよう"と取り沙汰されたプロジェクトだが"現実的"な批判にさらされ、最後は「資金が集まらない」という、最も"現実"的な幕引きとなった。
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