自己判断の食事制限は禁物
加齢ともに血圧やコレステロールなどが高くなり、悩んでいる人の中には、減塩や減量などを「自分の思い込み」で行ってしまう人も多いようです。国立循環器病研究センターの小久保喜弘・予防健診部医長が、自己判断の食事制限に注意を呼び掛けています。
食事制限は、自己判断ではなくガイドラインに沿って改善していくことが大切です。高血圧であれば減塩、野菜果物を多く摂る、肉よりも魚、節酒、適正体重、運動習慣、禁煙を心がけ、動脈硬化の予防であれば、食物繊維の多いものを摂ることも欠かせません。
例えば旅館の朝食のような、ご飯にみそ汁、魚料理、納豆(または冷奴)、海苔という組み合わせ。減塩に気をつけた内容であれば、ガイドラインに沿っています。1日1回は、このような和食を摂ると良いそうです。ご飯も、食べ方に気をつければ立派な健康食です。
魚、大豆製品を食べていますか?
高度経済成長を迎えるまでの日本では、高炭水化物食、高塩分食、低タンパク質食といった食事が中心。そのため高血圧になりやすく、血管を維持するタンパク質が不足して、多くの人が脳出血で倒れました。その後、タンパク質の摂取や減塩でその率は低下してきました。
しかし、この10年で魚と大豆製品の消費量が約15%減少。魚と大豆製品は、高血圧や動脈硬化など生活習慣病の予防に重要な食品です。これらの消費量の減少により、生活習慣病患者の増加が危惧されます。実際、都市部では心筋梗塞が増加しているといいます。
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健康に生きるためには、減量だけでなく体の機能を正常化させる食事が大切です。きちんとした知識を身につけ、さまざまな栄養素をバランスよく摂取していけば生活習慣病の多くは予防できます。今一度食生活を見直し、本当に体に必要なものを食べるようにしましょう。(月乃雫)
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