染色体異常による不妊 現在、男性不妊の要因としては、Y染色体の欠失、X染色体の重複といった染色体異常が認められている。
今回、ピッツバーグ大学薬学部が染色体異常を起因とする男性不妊について研究を実施したところ、新たに、母親から受け継ぐX染色体の遺伝子変異が男性不妊の要因になると判明した。
X染色体にある遺伝子の一部が突然変異し、精子の生育を妨げる。この遺伝子変異は、無精子症をも引き起こすという。
研究では、無精子症と診断された男性49人のうち2人にX染色体の遺伝子変異が確認できたと報告されている。
男性不妊と遺伝 ピッツバーグ大学薬学部のアレクサンダー・ヤツェンコ助教授(Alexander Yatsenko)は、物理的障害を起因としない男性不妊において、半数は遺伝的であると推測している。
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また、不妊男性のうち約20%は無精子症であり、精子の生産が不可能な状態であると述べている。
ヤツェンコ助教授は、突然変異した精細胞をもつ父親から娘へと遺伝子エラーが受け継がれる可能性も示唆している。娘は遺伝子エラーの所有者となり、男の子を産んだ場合、その子は遺伝的に無精子症である可能性が高いという。
また、助教授は、今後、男性不妊における遺伝的な要因が解明され、遺伝子治療により不妊が改善すること期待している。
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the New England Journal of Medicine
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