片頭痛に悩む人に朗報!新しい治療法が岡山大で開始へ

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2015年06月15日 12:10  QLife(キューライフ)

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心臓に開いた穴と片頭痛に関係が!?

画像はプレスリリースより

 頭の片側が脈打つように痛んだりするほかに、嘔吐など多様な症状が現れる片頭痛。その治療法は薬物療法、非薬物療法ともに、さまざまな方法があります。しかし、片頭痛の原因は多岐にわたるため、既存の治療法では効果が不十分で、日常生活に支障を来している患者さんも少なくありません。

 こうした片頭痛に悩む患者さんに、治療法の新たな選択肢が登場することになりそうです。岡山大学病院循環器疾患集中治療部の赤木禎治准教授らは、片頭痛患者さんの心臓に小さな穴(卵円孔)が認められた場合、カテーテルを用いて卵円孔を閉鎖することで頭痛を治療するという、国内初の治療を6月に開始すると発表しました。

 卵円孔は胎児期に胎盤からの酸素を含んだ血液を右心房から左心房を経て、全身へと導く重要な構造。出生後には自然に閉鎖しますが、大人になっても閉じないケースがしばしばみられ、成人の15〜25%に存在するといわれています。通常、卵円孔があっても問題ありませんが、静脈にできた血栓が卵円孔を通過することで、脳梗塞の原因になることが知られています。

将来の「先進医療」獲得を目指して治療を実施

 岡山大学病院では、2012年から奇異性脳梗塞の再発予防を目的とした心房中隔欠損症や卵円孔開存のカテーテル治療を実施しています。これらの脳梗塞患者さんを調べたところ、38人中19人が片頭痛を経験。カテーテル治療後に片頭痛が消失(13人)、もしくは著明に改善(5人)していることが判明しました。カテーテル治療の対象は現在、脳梗塞を発症した患者の再発予防だけに限られており、片頭痛で患者さんに卵円孔が認められた患者さんを対象に行う、卵円孔のカテーテル治療は国内初。

 なぜ、心臓に開いた穴と片頭痛に関連がみられるのでしょうか。発表では、静脈内の特殊な物質が肺を通過せず、脳動脈に達することではないか、と推測しています。また、片頭痛患者さんは一般健常者と比べて、脳梗塞を約2倍起こしやすいといわれ、キラキラした光が見える、眼前暗黒感、感覚異常などの前兆がある片頭痛患者では、そのリスクがさらに高まるという報告もあり、このような前兆を持つ片頭痛患者さんは、卵円孔が開存している可能性があるといいます。

 ただし前述の通り、現在、同治療が保険診療の対象となるのは一度脳梗塞を起こした場合のみ。また、治療には国内未承認の医療機器を使用するため、自由診療となり、費用はおよそ130万円かかるなど課題もあります。同院は患者さんの費用負担軽減につながる「先進医療」の獲得を視野に入れ、この治療を実施したいとしています。(QLife編集部)

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  • その前に発作予防薬(ゾーミッグやイミグラン)の後発医薬品が出てくれないかなぁ。薬剤師さんは「きっとあと少しで出てきますよ」って言ってくれてるけど、服用を始めて5年近くたつもんなぁ。
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