難病患者や障がい者の孤立防止を目指すSNS「RD-Oasis」がオープン

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2015年06月29日 12:40  QLife(キューライフ)

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“希少難病”が直面する社会からの孤立

画像はリリースより

 2014年5月23日、難病の患者に対する医療等に関する法律、いわゆる難病新法が成立しました。この法律により、医療費助成の対象となる「指定難病」は56疾患(約78万人)から2015年7月以降は、306疾患(約150万人)にまで拡大します。しかし、医療費助成の対象となる疾患以外にも数多くの難病が存在しています。それらは「希少難病」(RD:レアディジーズ)と呼ばれ、その数はおよそ7,000。さらに“疑い”や“病名不明”といった病名未確定の患者さんも数多く存在しています。

 希少難病の患者さんは、その希少さゆえに一般の方からはもちろん、医療関係者からも理解を得られず社会から孤立。身体的・精神的に多くの困難を抱えながら生きている方が多く、差別・偏見も少なくないのが現状です。そこでNPO法人「希少難病ネットつながる」(RDneT)は6月29日、難病や障がいを持つ人やそのご家族、支援者のための専用SNSサイト「RD-Oasis」(アールディオアシス)をオープンしました。

 RD-Oasisは、メールアドレス・パスワード等の簡単な登録のみで、すぐに利用できる完全無料のSNSサイト。希少難病の当事者同士が繋がるだけでなく、さまざまな悩みや想いを語り合ったり、就労や就学について検討。当事者やそのご家族の憩いの場所となることを目指す、とのことです。

RDneTの香取理事長「孤立するのを防止する、孤立から解放される環境を」

 RDneT理事長の香取久之さんは、自身もおよそ30年にわたり難病に苦しんできた当事者でもあります。「17歳の時に発症したのですが、当時父親からは『両親も弟も健康なのにお前だけ病気なわけないだろ!』と一蹴されたのを覚えています。しかし、症状は徐々に悪化、これはただ事ではないと思い医療機関を受診しました。大学病院をはじめ、ありとあらゆる医療機関を受診しましたが、全く診断に至らず、頼みの綱と思っていた医療関係者からは『精神的な問題』『精神科受診してください』など心無い言葉をかけられたこともありました」と語ります。

 また、「当時、インターネットはありません。どんな疾患の可能性があるかも自分で調べることができず、同じ病気の患者さんと繋がることもまず不可能でした。希望はないけれど、絶望もない、何となく酸素を吸って二酸化炭素を吐くだけの日常が延々と続いていました」と香取さんは振り返ります。

 それでも決定的に絶望したり、孤立することなく、生きてこられた理由は、仲間がいたからだと語ります。そして、それがRDneT、そしてRD-Oasisの立ち上げにつながったと語ります。「患者会活動で感じることは繋がることができずに社会から孤立し、非常に難しい状況に陥っている当事者や家族が本当に多いということです。当事者や家族が孤立するのを防止する、または孤立から解放される環境をつくることが最も重要と考え、専用SNSを開発しました」(香取さん)

 難病や障がいと戦う本人、そしてその家族が仲間を見つけ、より生きやすい社会をつくる礎となるか。可能性を秘めたRD-Oasisに期待が高まります。(QLife編集部)

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