世界初の実現!「太陽光を利用したエタノール燃料」の生成に成功

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2015年07月19日 10:00  FUTURUS

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温室効果ガスの増加による気候変動、化石燃料の枯渇や代替エネルギーなど、多くの環境問題に直面する現代社会。多岐にわたる分野で様々な取り組みが行われているが、身近なところでは、近年自動車用の次世代低炭素燃料としてエタノールが注目を集めている。

つい先日には、大阪市立大学・複合先端研究機構の天尾豊教授らのグループが、太陽光エネルギーを利用してエタノールを生成することができる、新たな人工光合成技術の開発に成功したというニュースが届いた。

二酸化炭素を原料として有用な物質に変換する方法

マツダ株式会社技術研究所と共同で行われた研究結果は、環境問題の専門誌『Applied Catalysis B: Environmental』に掲載されている。年末にひらかれる国連気候変動枠組み条約の第21回締約国会議で温暖化対策の新枠組み合意を目指すなど、地球規模で排出量の削減に取り組んでいる二酸化炭素。ただ、研究チームによると、排出を規制して削減する以外にも、二酸化炭素を積極的に原料として利用し有用な物質に変換する方法の開発も重要な課題だという。

こうしたなか期待されているのが、太陽光エネルギーを利用し二酸化炭素を燃料に変換する『人工光合成技術』だ。これまで、二酸化炭素を炭素数1のメタノールに変換する人工光合成系は報告されていたものの、炭素数をさらに1つ増やしたエタノールを作り出す応用技術には至っていなかった。

二酸化炭素を出発物質としてエタノールを生産する反応系を構築

天尾氏らは今回、二酸化炭素を出発物質として人工光合成技術を用い、エタノールを生産する反応系の構築に取り組んだ。まず二酸化炭素とメタンあるいはメタノールから酢酸を生産し,さらに酢酸からエタノールを合成することに成功。太陽光を150分間照射すると酢酸の約5%がエタノールに変換されるという。この合成ができる人工光合成技術の成功報告は初だ。

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この技術が実現すれば太陽光と二酸化炭素から燃料として実用が期待されているエタノールを作りだすことができる、画期的な新技術になると期待されている。

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今後は太陽光と二酸化炭素からエタノール燃料を生成できる新たな人工光合成技術への展開に取り組む予定だという。世界が直面するエネルギー問題の解決につながる研究として期待したい。

このニュースに関するつぶやき

  • 大阪市立大学・複合先端研究機構の天尾豊教授らのグループとマツダ株式会社技術研究所かぁ。ロータリーエンジンが復活するのかなぁ・・・。
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