『ダークマター』と『ダークエネルギー』という言葉をご存じだろうか? そして、宇宙の大半は、これらが95%もの割合で占めていることも……。
下の動画『What is Dark Matter and Dark Energy? – YouTube』は、科学アニメーション・ムービーなどを手掛けるドイツのKurzgesagt社が制作したもの。宇宙科学の謎を、約6分でとても分かりやすく説明している。
動画によると、我々が普段目にしているものが『マター』、つまり物質だ。原子や樹木、鉱物そして我々人間もそうだ。しかし、宇宙では、この物資は、全体のわずか5%程度しかないのだそうだ。
で、残りの25%が『ダークマター』、70%が『ダークエネルギー』なのだという。でも、これらは見ることができないし、正体も不明。現代科学においては、これらが何かを解明する研究が進められているが、まだまだ分からないことだらけだ。
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『ダークマター』は銀河の存在に必要
『ダークマター』、日本語に直訳すると“暗黒物質”。これは、銀河の構造を計算してみると、普通の物質だけでは足りないことから、銀河を形成するのに必要なものだと考えられている。見える物質の重力だけでは、星が散らばってしまい、銀河を形成できないからだ。
『ダークマター』は、光を通さず反射もしない暗い物質で、密集すると近くの光を曲げる重力的な力を持つのではないか、と考えられている。
正体は不明だが、逆に 1,粒子の雲 2,反物質(アンチマター) 3,ブラックホール
などではないということは分かっている。1は検出できない、2はガンマ線を出さない、3はそれほどの影響力はない、というのが理由だ。
現時点では、“何かある”、“重力のようなものを持つ”、“たくさんある”ということが分かっている程度。光を受けない未知の粒子だという説もあるが、さて実際はなんなのだろう。
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宇宙の膨張と関連するのが『ダークエネルギー』
一方、『ダークエネルギー』は、直訳すると“暗黒エネルギー”。 最近の観測では、宇宙は加速度的に膨張していることが分かっている。
宇宙の膨張、つまり空間が広がっていることに『ダークエネルギー』は関係しているようで、これには次の4つの説がある。
1,空間の性質である 2,宇宙が広がるほど増える空間で生まれる加速 3,空間で生まれ続けている現れてはすぐ消える粒子 4,宇宙に満ちた未知の力
1は空間自体にエネルギーが存在し、活発に活動しているという考え方。2は、アインシュタインが考えた重力に反する力という“宇宙定数”の概念に近いが、計算しようとすると結果がおかしくなるという。
これらの説は、ほかの3や4も含めて、確かめる術はなく、ただの理論でしかないのが現状だ。
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このように、宇宙には我々が知らないことがまだまだたくさん。また、“知らないということに気づいていない未知のこと”もたくさんありそうだ。
動画のエンディングでは、
<我々人間は“スマートフォンを持った猿”であり、知らないことだらけ。だが、“学ぶべきことが多いということは素晴らしいこと”だ>
と、このように締めくくっている。 確かにその通り。未知なる世界を探検し、知ることこそ人間なのだ。
【参考・画像】
※ What is Dark Matter and Dark Energy? – YouTube