日本のみならず、海外の都市を歩いていると歩きタバコをする人を見かけることがある。
しかも、そのタバコの吸い殻をポイ捨てするせいで、バスの待合所やデパートの入り口の道ばたには、タバコの吸い殻が目立つこともある。
そんなタバコのポイ捨てを止めさせようとしているのが、イタリアはミラノの『Accademia di Comunicazione』の学生グループが考案した『Vote your Milan』プロジェクトだ。
ミラノには30万人の喫煙者がいて、そのうち35%がポイ捨てをするという。毎日200万本のタバコがポイ捨てされ、社会問題として指摘されている。
このプロジェクトはそういったポイ捨てをゼロにしようという試みである。
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タバコを投票用紙にする画期的なアイデア
『Vote your Milan』とは、タバコの吸い殻を“投票用紙”代わりにした、二者択一の投票システムだ。
例えば、サッカーのクラブチームで本拠地を同じミラノとしている、日本代表長友佑都の在籍するインテルか、同じく日本代表の本田圭佑が10番を背負うACミランの、どちらが好きかなどを、タバコの吸い殻で投票することができる。
投票口にはセンサーが設けられており、細かくカウントすることも可能だ。一目でどちらが優勢かを可視化する様子も興味深い。
また、都市には何カ所か『Vote your Milan』のシステムがあり、スマホ上で他の場所のデータを閲覧することもできる仕組みとなっている。
実証実験の動画を見てみると、この投票システムを面白く感じた人もいるようで、わざわざ道ばたのタバコを拾って投票する様子なども描かれている。道をクリーンにするという面では、成功とも言えるだろう。
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「Vote your Milan」の課題
しかし、本来あるべき“タバコをポイ捨てしない”という面は、解決できていないようにも思われる。火が消えきっていないタバコをいれると火事や煙の問題も出てくるだろうし、まだまだ改善の必要はあるように感じられる。
ただ、こういったプロジェクトが活発になってくると、違うアプローチでクリーンな都市を生み出すための仕組みを考える人も多くなってくるだろう。
今後のミラノの都市計画は注目していきたいところである。
【参考・動画】
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【画像】
※ simone mescolini / Shutterstock