200万人以上の潜在患者がいると推定される「線維筋痛症」
画像はリリースより線維筋痛症という疾患をご存知でしょうか。全身の痛みをおもな症状とする線維筋痛症は、2004年の調査によると日本人の1.7%が罹患しており、200万人以上の潜在患者がいると推定されています。にもかかわらずその原因は解明されておらず、患者は痛みに耐えながら生活をしているのです。
そこで、塩野義製薬株式会社と日本イーライリリー株式会社は、線維筋痛症の主症状である痛みが患者の生活や対人関係に与える影響を明らかにするため、線維筋痛症患者309人を対象に調査を実施。患者のおよそ7割が仕事や家事、勉強、日常生活に痛みによる影響が出ていると回答しました。
日常生活では、「起床」「着替え」などの動作に影響が出ることが多く、痛みが原因で通勤・通学できないことがあると、全体の63.1%が回答。痛みがひどい時期には、約8割が週1日以上遅刻しており、痛みで家事ができないことがある人も74.8%に達しています。
およそ7割の患者は周囲から「怠けている」と言われたことも
痛みは対人関係にも影響します。80.3%が周囲に痛みを理解されずつらいと思ったことがあると回答。68.6%が周囲から「怠けている」と言われたことがあり、80.5%が「自分の痛みが周囲に迷惑をかけている」と思っていることもわかりました。
周囲に理解されずつらいと思うことでは、「仮病・さぼり・怠けている・気持ちの問題と思われる」「見た目にわからないので理解されない」「痛さの度合いをわかってもらえない」「病名を相手が知らず理解されない」などの回答が多く、疾患に対する理解が得られていない現状がうかがえます。
|
|
今回の調査で、全身の痛みによる身体的な負担だけでなく、周囲の理解不足による精神的な負担も強いられていることが明らかになった線維筋痛症。今後、疾患認知が高まり、患者の精神的負担の緩和やQOL(生活の質)向上が進むことが期待されます。(下玉利 尚明)
関連リンク
⇒元の記事を読む