10月10日は世界メンタルヘルスデー 「向き合うと、変わりはじめる写真展」を開催

2

2015年10月09日 19:00  QLife(キューライフ)

  • 限定公開( 2 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

QLife(キューライフ)

デジタルサイネージを使い、精神疾患への理解促進を図る試み

 10月10日は何の日か知っていますか。2000年までは、東京オリンピックの開会式が行われた日として「体育の日」でしたが、ハッピーマンデー制度により体育の日が10月の第2月曜となり、10月10日が必ずしも体育の日ではなくなりました。

 国内ではあまり知られていませんが、世界的に10月10日は、メンタルヘルスデーとして知られています。オランダに本部のある世界精神衛生連盟が、1992年にメンタルヘルスに関する意識を高め、広く体験発表をすることを目的として定めたもので、世界各地で啓発イベントが行われています。国内では、2002年から活動が開始され、メンタルヘルスへの理解促進を目的とするシルバーリボン運動として、メンタルヘルスデーに合わせたイベントを開催しています。

 精神疾患(うつ病、統合失調症、不安障害など)で通院や入院をしている患者さんは、国内で320万人以上とされ、これは日本人のおよそ40人に1人の割合です。生涯を通じて5人に1人が精神疾患にかかるともいわれており、誰でもかかりうる疾患です。

 NPO法人シルバーリボンジャパンは、世界メンタルヘルスデーに合わせ、「向き合うと、変わりはじめる写真展」を2015年10月8〜11日に、ビジネスマンで賑わう東京丸の内オアゾOO広場開催しました。

向き合うとかわるメッセージと写真が、向き合うものの意識も変える

 「向き合うと、変わりはじめる写真展」は、デジタルサイネージを利用し、精神疾患患者さんの周囲の人が向き合うことが、回復サポートになる「知療」という考え方を社会に広めることを具現化したイベントです。

 イベント会場に設置された5つのデジタルサイネージに、5人の患者さんの顔写真が写しだされています。患者さんと向きあって椅子に座るとうつむき加減の患者さんの顔の周辺に4つの並びや向きがぐじゃぐじゃのメッセージが、浮かびあがります。メッセージを読み取ろうと視線を合わせると、だんだんと整理されたメッセージに変化し、患者さんからのメッセージが浮かび上がります。向き合った人が、4つのメッセージをすべて読み気持ちをうけとると、それまでうつむき加減だった患者さんの表情が一変。にこやかな表情で「目が合ったら微笑んでくれるだけでもいい」「向き合ってくれてありがとう」というメッセージを返してくれます。

 動画や肉声でも気持ちやメッセージは伝わりますが、向き合う前の患者さんの写真と向き合った後の写真の変化、メッセージを読もうとするものの意識、すべてがインタラクティブに作用し、よりメッセージ性を高めています。

 「まだまだ理解が進んでいるとは言い難いメンタルヘルスに関する諸問題に対して、先進的なイベントを開催することで、今まで無関心だった人たちにも目を向けてもらいたいと考えています。理解が促進され、精神疾患を抱える当事者が回復しやすくなる社会の実現を目指します」とシルバーリボンジャパン代表の関さんは、コメントしています。

 10月11日まで開催されていますので、足を運んでみてはいかがでしょうか。

デジタルサイネージで表示されるメッセージ

私は難治性うつ病を発症しました。その頃の私は・・・

発症して3年間は
全然眠れなくて
家にばかりいた

当時は病気の情報が少なく
友達にも病気を
打ち明けられなかった

好きだった仕事も
続けられなくなり
怠けていると言われた

一番身近な家族に
病気を分かってもらえず
苦しかった

「難しい病気に、大きな苦しみに、耐えてきたんだね」

発病から約3年、家族が病気を受け入れ、
理解しようとしてくれた時、私の中の負担が軽くなり、
前向きな気持ちが芽生えました。

今では病気を経験して良かったと言うことができます。

病気になったからこそ出会えた人たちがいて、
世界観が広がり、たくさんの人の優しさや
勇気にふれることができたからです。

この経験を活かして、精神疾患で苦しむ人が、希望を持てる社会の実現を目指して働いています。

(QLife編集部)

関連リンク

⇒元の記事を読む

    ランキングライフスタイル

    前日のランキングへ

    ニュース設定