時速1200キロの超高速列車、走行実験へコース建設

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2015年10月27日 18:11  ニューズウィーク日本版

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 ハイパーループ・トランスポーテーション・テクノロジーズ(HTT)社は、2015年11月から1億5000万ドルを投じて、同社の超高速列車用コースの建設に取りかかると発表した。


 HTT社のビーボップ・ガブリエラ・グレスタ最高執行責任者(COO)によると、この輸送システムの実物大プロトタイプは、計画都市の建設が進むカリフォルニア州クエイバレーの約8キロの区間をカバーし、完成までに32カ月かかる見込みだという。


 グレスタは先週、ロンドンで開催されたイベント「未来への交通」で、同社の構想について説明を行なった。


 ハイパーループのシステムでは、自動運転カプセルが高架チューブのなかの真空と磁石の強力な力で引き寄せられて移動する。このプロトタイプが成功すれば、乗客の移動スピードは最高で時速約1220キロに達する。


 このハイパーループ構想は、電気自動車のテスラ・モーターズや宇宙開発のスペースXを創業した億万長者、イーロン・マスクが2013年8月に発表したもの。最終的にはロサンゼルスからサンフランシスコ・ベイエリアまでの走行を目指している。


 ハイパーループの超高速列車は太陽光、風力、運動エネルギーなどの再生可能エネルギーを動力源とするだけでなく、余剰エネルギーも生産する。HTT社は、これを販売して利益をあげようとしているようだ。「生成するエネルギーよりも消費エネルギーの方が少ないので、電力を転売することができる」とグレスタは建築・デザイン雑誌の『Dezeen』に語った。「この仕組みなら、6〜8年で投資を回収できる」


 高架チューブを建設したら、無人カプセルを最高速度で走行させるテストを行なう予定だ。「地上におけるあらゆる記録を破ることになるだろう」とグレスタは言う。


「ハイパーループは、ロサンゼルス・サンフランシスコ間の全航空便に取って代わることもできる」とグレスタは言う。「間違いなく航空産業を破壊する」


 テストの終了後は、移植用臓器といった一刻を争うものを輸送するための専用「ポッド」の開発に取りかかりたいという。完全実用化の暁には、1時間当たり約3400人の乗客を、ロサンゼルス〜サンフランシスコ・ベイエリア間で輸送できる見込みだ。


 HTT社は、この輸送システムを全世界に拡大しようと狙っている。ロンドン〜グラスゴーのルートも検討中で、事業規模は60〜80億ドルになりそうだ。




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