マンガで観光PRのハズが自虐的過ぎて行きたくなった! 「高知×鳥取 まんが王国会議2015 in AKIBA」

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2015年10月29日 23:11  おたぽる

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 大都会からは遠く離れた2つの県が、マンガを使いどのように発展していくのか。



 10月25日、マンガによる地域おこしを図っている鳥取県と高知県による観光PRイベント「高知×鳥取 まんが王国会議2015 in AKIBA」が、ベルサール秋葉原で開催された。



 このイベントは2013年に高知県と鳥取県が締結した「まんが王国友好通商条約」をきっかけに毎年秋に開催されているもの。今年が3回目になるイベントはリリースによれば「延べ1万人以上の来場実績」だという。



 ホントにそんな大勢が来場しているのか? 半信半疑ながら会場に行ってみれば、確かに大混雑している。なるほど、日曜日の秋葉原でPRブース及び物販ブースを設けているほか、同じ会場で、秋葉原の町おこしイベント「『秋フェス』2015秋」なども同時開催しているわけで、買い物ついでに入場した人もカウントしたら、そのような数字になるかも……。



 果たして首都圏での認知度がどの程度のものかは未知数だが、高知・鳥取両県のまんがを使った振興策は本気だ。高知県は県庁にまんが・コンテンツ課を設置し、高校生を対象にした「全国高等学校漫画選手権大会〜まんが甲子園〜」を毎年開催している。鳥取県では12年から「まんが王国とっとり」を建国し、米子空港を「米子鬼太郎空港」に。鳥取空港を「鳥取砂丘コナン空港」に改名し、地域振興を行っている。



 そんな両県が出身の声優やマンガ家を招いて開催する力の入ったイベント。だが、鳥取県側からはいきなりの自虐ネタが。



 登壇したVOCALOID・鏡音リン、鏡音レンの声などで知られる鳥取市出身の声優・下田麻美は、鳥取県の特徴として「街ですぐ友達に出会う」「走っている軽自動車が誰の家のものか見ただけでわかる」と発言。「週刊モーニング」(講談社)で『グラゼニ 〜東京ドーム編〜』を連載中のマンガ家・アダチケイジ(米子市出身)は「高校生活の3年間、ラクビーをしていたが、ずっと殴られていた思い出が……」と、なぜかネガティブ発言を。



「まんが王国とっとり」の建国にあたっては、税金10億円以上を投入するも集客に結びつかず、逆の意味で注目を集めた鳥取県。スタバがないから「すなば珈琲」ができたノリで自虐でPRしようという戦略なのか?



 対する高知県からは、ナウシカ役などで知られるベテラン声優・島本須美(高知市出身)が登壇。西原理恵子をはじめ高知県には出身マンガ家が多い話をしたかと思ったら「出身マンガ家が多いので、アニメ化の際にはぜひ使って欲しい」と、なぜか自己宣伝を。出身マンガ家として登壇した『ツルモク独身寮』(小学館)で知られる窪之内英策(高知市出身)は「マンガ家になろうと思ったきっかけは『ドラえもん』」と、まったく高知県に関係ないエピソードを語った上で「過疎化が激しい」など、やっぱり地域の特徴を自虐で攻めたのであった。



 こうしたトークから明らかになってきたのは、とかく大都市圏からは旅行しにくい2つの県が、マンガ以上にネタに溢れる地域ではないかということ。リリースには「“まんが”がまた楽しく、そして、高知と鳥取がもっと大好きになるトークイベントを開催します」とあったが、機会があれば一度は訪れてみたくなる秘境感をそそったのは間違いないだろう。



 もはや全国あちこちにマンガやアニメの聖地が誕生し、作品の盛衰と共に一喜一憂している昨今。もはやコンテンツに頼るのではない、もう一歩先に進んでいる両県は、実はスゴイのではないかと思ったイベントであった。
(文=昼間たかし)


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  • あー体育会系はなー、、、って、ちょっと待て?3年間ずっと、って先輩と呼ばれるようになってからも??
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