ロケットが垂直に着陸だと!? Blue Originが実験飛行に成功

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2015年11月28日 11:30  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

途中に有人飛行をイメージしたCGを挿入しているので、動画全体がうさんくさい。でもどうやら事実らしい。

Amazonの創業者ジェフ・ベゾス氏が設立した、宇宙機開発会社Blue Originがロケットの飛行実験に成功した。

どのような実験かというと、高度32万9,839フィート(約100.5km)まで上昇し、カプセルを射出し、そして地表にもどってきて、鉛直の姿勢のまま着陸したのだ。

カプセルを打ち上げたロケットが帰ってくる

ご存じの方も多いと思うが、ロケットというのは基本的に使い捨てだ。

スペースシャトルは、飛行機型の大きいオービターが帰ってくるが、結局そっちのほうがコストがかさむこととなってしまったため廃止された。

従って、いま実用化されている宇宙機は、すべて使い捨てのロケットで運用されている。

しかし、これはちがう。ロケット本体が上昇し、上空でカプセルを射出したあと、また下降してきて、平地に着陸し、回収されるのだ。


動画を別画面で再生する

ロケットを帰還させるための工夫

今回テストに成功したBlue Origin社のロケット『New Shepard』は、自力で下降、着陸するために、いくつもの工夫がなされている。

まずは、上部に設けられたリング状のフィンだ。これは圧力中心(※おそらく空気抵抗によるものを指していると思われる)を後部寄りにすることで、再突入と落下の際のコントロールを容易にする。

次に、8つのエアブレーキを使って、落下速度を387mph(約623km/h)にまで減速させる。そして油圧制御するフィンを使って正確に着地点に向かわせ、高度5,000フィート(約1,520m)まで下降する。

そこで、メインエンジンを再び点火して減速し、ランディングギアを出して、最後の100フィート(約30m)を4.4mph(約7.1km/h)で下降して着陸するというのだ。

ちなみにカプセルは将来的には有人飛行にも使用する予定のようだ。そしてカプセルのほうはロケット本体とは別にパラシュートを使って帰ってくる。

もちろん、スペースシャトルは国際宇宙ステーションのある高度400km以上まで飛行することができたので、それにくらべればこのNew Shepardが実現した高度は低い。

しかし、ロケット本体が繰り返し利用できれば、宇宙飛行のコストは従来より下げることができるだろう。

本当に有人飛行を実現するためには、安全対策のために莫大なコストがかかることも予想されるので、この形式のロケットが実用化するのかどうかはわからない。

しかし、ロケットが垂直に着陸するなんて、SFのなかの荒唐無稽な設定のように思われたが、このNew Shepardはそれを実現してしまった。

もしかしたら、これはひとつの画期的な成功となるのかもしれない。

【参考・画像】

※ BLUE ORIGIN

【動画】

※ Historic Rocket Landing – YouTube

このニュースに関するつぶやき

  • これがほんとうならファルコン9とどこが違うのかな?到達高度?ファルコンは実用衛星を打ち上げての垂直着陸だからなあ・・・
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