40代から考える ワタシらしいエイジングケア&ヘルスケアとは?

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2015年11月30日 18:10  QLife(キューライフ)

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東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科准教授 寺内公一先生

 女性にとって、卵巣機能が低下し、女性ホルモンの分泌量が不安定になる40代は体の調子が大きく変化する時期。その変化と上手に付き合うことが、より良いエイジングケア&ヘルスケアを行うための第一歩です。

 先日、バイエル薬品は、メディアセミナー「40代から考えるエイジングケアとヘルスケアプラン」を開催。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科女性健康医学講座准教授の寺内公一先生が、40代だけでなく、すべての世代の女性が知っておくべきカラダの変化についてレクチャーしました。

ピルの服用、「40歳」で見直しを

 「40歳になったら、OCやLEPといったピルの服用を一度は見直してほしい」と寺内先生。その大きな理由の1つとして、「年齢が高くなるにつれ、血栓症のリスクが高くなること」を挙げ、 OC使用者の脳卒中リスクを調べた結果、35歳以上では非使用者の2.3倍に上ったという研究結果を紹介して、注意を促しました。

 OC/LEPに替わる避妊法として、寺内先生は、子宮内に避妊具を入れる「LNG-IUS」(黄体ホルモンであるレボノルゲストレルを子宮の中に持続的に放出する子宮内システム)を勧めます。

 その根拠として、女性100人がそれぞれの避妊方法を使用した場合の1年間の避妊失敗率(パール指数)に関する調査結果を紹介。理想的に使用した場合、パール指数はOC使用者が0.3、LNG-IUS使用者は0.2と差はありませんが、OC使用者には飲み忘れなどのケースがありますので、一般的に使用した場合、OC使用者は9、LNG-IUS使用者は0.2と大きな差があります。また、従来の子宮内避妊具である「IUD」は、月経血量が増加することがデメリットに挙げられますが、IUSは月経血量が減少するほか、月経の痛みも軽くなるといいます。「IUSは避妊、月経の両方の問題のケアが可能となります」(寺内先生)

 40代になれば、妊娠する可能性は低いのだから・・・と考える人もいるかもしれません。しかし、40代の中絶率は10代に続いて高いのです。厚生労働省によると、妊娠総数100に占める中絶の割合は、「14 歳以下」の約90%、「15〜19歳」の約60%に続き、「45〜49歳」が約55%に上っています。

HRTで骨粗しょう症のリスクを軽減する場合も

 「老年期にベネフィットをもたらすことを考えると、更年期にはホルモン補充療法(HRT)を考える必要があります」と、寺内先生は語ります。「女性ホルモンを若いときのレベルに戻すのではなく、必要最小限の量を補って、さまざまな問題を予防します」(寺内先生)

 その代表的な例に、「骨粗しょう症」が挙げられます。骨には、「破骨細胞」と「骨芽細胞」があります。破骨細胞が古くなった骨を“破壊”し、骨芽細胞が新しい骨をつくって、骨は日々つくり替えられていますが、女性ホルモンがなくなると、破骨細胞の働きが活発になり、骨芽細胞の働きが追いつかなくなってしまいます。

10代、20代の健康的な食事と運動が鍵に

 骨粗しょう症に関して、「大事なのは、骨が減る前の生活習慣」と寺内先生。10代、20代のうちに最大骨量をいかに獲得しておくかが重要で、そのためには「食事」と「運動」に気を遣うべきといいます。食事ではカルシウム摂取を心掛け、運動については、バレーボールなど骨に“衝撃”がかかるものがよいとのことです。

 また、寺内先生は、「痩せ」の若い女性が増えていることに警鐘を鳴らします。過度な痩せはホルモンの低下、無月経、骨量の低下などを引き起こします。過度な痩せを来すような摂食障害では当然、カルシウムの摂取量も不足します。「無理なダイエットはせず、しっかりと食事を摂り、運動しましょう」(寺内先生)

 40代以上の女性は、これらのほか、疲労感、不眠、不安、うつ、物忘れ、腟炎、外陰のかゆみ、性交痛、尿失禁、高血圧症などのリスクも上がるといいます。カラダが大きく変化する40代、エイジングケアとヘルスケアプランを見直し、仕事や家庭でより充実した生活を過ごしてみてはいかがでしょうか?(QLife編集部)

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