YouTubeで大ブレイク! ママ鉄芸人・鈴川絢子さんが語る、子育てと鉄道の麗しき関係

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2015年12月04日 11:02  MAMApicks

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YouTube動画「恋するフォーチュンクッキー 京浜急行 ver.」が再生回数160万回以上! あふれ出る鉄道愛を武器に自ら企画、出演、編集を行った鉄道動画が大人気の吉本芸人、鈴川絢子さん。1歳のお子さんとのコミュニケーションにも鉄道や動画が欠かせないという鈴川さんに、今オススメの鉄道スポットから正しい動画との付き合い方まで、いろいろとうかがいました。


鈴川 絢子(すずかわ あやこ)
1991年生・千葉県出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。2014年の「第2回 かわいすぎる女芸人No.1決定戦」で1位の座に輝く。同年に男児を出産。YouTubeチャンネルの登録者数が12万人を超えるトップクラスの人気YouTube芸人として活躍中。近著に『鉄分多め。』(ヨシモトブックス)。

―― 「恋するフォーチュンクッキー 京浜急行 ver.」拝見致しました。あれ、全部撮影するのにどれくらいかかったんですか?

鈴川:だいたい4日間くらいですかね……。

▼恋するフォーチュンクッキー 京浜急行 ver.
https://www.youtube.com/watch?v=gL5F8Rb3njY

―― スゴイ……好きじゃないとできない仕事だ……。もともと鈴川さんが芸人を目指したきっかけは何だったんですか?

鈴川:大学時代に知り合った相方とすごく気が合って、いつか二人で何かできたらいいな〜と思っていたんです。ただ、とくに芸人を目指していたというわけではなく……当時地上波でもたくさん放送されていたコント番組を観て、「二人で面白そうなことができるのは吉本なのかな?」と。それで大学を一年の終わりにやめて、NSC(※吉本興業の芸人養成所)に入りました。

―― 思い切りましたね。

鈴川:いつも行き当たりばったりなんですよ、私(笑)。スクールを卒業して3年目くらいでしょうか、インターネットを使ったオリジナルの配信番組とか、少しずつ自分たちがやりたいことができるようになってきました。と同時に、相方と私との見ている方向も違ってきて、それぞれピンで活動しようと。私はずっと鉄道が好きで、鉄道系のお仕事がやりたかったんですね。

―― いつぐらいから鉄道を好きになり始めたのでしょうか?

鈴川:小さい頃家にプラレールのおもちゃがあって、それで日常的に遊んでいたみたいです。また、母親が航空会社で働いていたので、私もよく飛行機に乗って全国を旅行していました。その土地その土地で観光列車に乗ったりしたのも、鉄道にハマるきっかけだったかもしれません。

―― 飛行機ではなかったんですか?

鈴川:飛行機はちょっと酔っちゃうので苦手で……できれば新幹線で移動したいなと思っていました(笑)。本格的に鉄道に恋したのが中学時代、京急のドレミファインバーター(※)を聞いたときです。なんだこれは……って。自分で調べてみたら、あれはわざとああいう音階にしていると知って、ますますスゴイと思いました。エンターテインメントじゃないですけど、心意気を感じたんです。そのあたりから京急、そして地元の路線である京成……日々の生活の中で、「今日はこれに乗ってみよう」と電車を楽しむようになりました。
(※京急には発車時にモーター音が独特の音階を放つ車両がある)

―― 中学時代だと、なかなか鉄の同志となる女子は見つけづらそうですね。

鈴川:そうなんですよ! クラスにひとりだけ鉄道好きの男子がいて、その子は堂々と修学旅行にズームのカメラ持ってきていて、うらやましかったなぁ。今でこそゴールデン番組で鉄道を取り上げたり、かなり入り口がライトになりましたけど、10年前くらいまではまだ鉄道は男性の趣味というイメージ。だから自分の中で「好き」をずっと温めていた感じです。

―― その「好き」が今、京急全駅でフォーチュンクッキーを踊るまでに育ったと。

鈴川:本当ですね(笑)。私、結婚したのが2012年で、そのくらいからニコニコ動画で鉄道動画の生配信を始めたんです。たまたま珍しい皇室専用車両が中央線を走るというので、遠くに住んでいて見られない方のためにその様子を生中継しようと。そのときは一回限りと思っていたんですが、たくさん反響をいただいてネット配信の面白さを知りました。

で、その配信でカメラを回していたのが、今の夫なんです。夫もすごく鉄道が好きで、私より詳しいくらい。鉄道好きならではのカメラワークをしてくれるところにグッときました。あの配信が芸人として鉄道系の仕事をやっていくきっかけにもなったので、それからは人生が鉄道とともに動いているかんじです。

―― 夫婦で同じものが好きなのはイイですよね。

鈴川:鉄道の仕事は地方に行くことも多いので、他人と一緒よりは家族内で完結させたほうが、旅行としても楽しめますし。ただ鉄道は本当に一瞬が勝負なので、のんきに旅行気分だけではいられないんですよ。

―― 仕事のときの育児分担はどうされてるんですか?

鈴川:私が仕事のときは夫、夫婦で仕事のときはそれぞれの両親にお願いしたりしています。今の悩みはまだ保育園に預けられないこと。1歳も過ぎて歩けるようになってきたので、近距離であれば連れていくこともあります。

―― 今、鈴川さんが一番気になる親子鉄道スポットを教えてください。

鈴川:まずベタですが、JR九州の特急『あそぼーい!』。木のボールプールがあったり、親子限定のシートがあったり……小さい子どもと楽しむための工夫がたくさんされている列車です。首都圏であれば、JR東日本の「鶴見線」。終点の海芝浦という駅は海に突き出していて、夕暮れ時の景色は抜群ですよ。

車両そのものをたくさん観たい方には、「新鶴見信号場」がオススメです。信号場に隣接する「新川崎ふれあい公園」には、汽車を模した遊具やベンチもあり、ママ鉄子鉄の聖地とも言われています。そういえば以前、秋田新幹線つばさ用のE6系新幹線が“甲種輸送”といって製造工場から営業運転する区間まで機関車で運ばれてくるんですけど、そこでちょうど機関車の入れ替えがあって10分停車したこともありました。まだデビューしていない新幹線を見られる貴重な機会もあるんです。

あとは、東京都北区王子にある飛鳥山公園は、高台から新幹線、在来線、貨物列車が一望できます。昔の都電の車両やSLもあり、よく子どもたちが運転席でガチャガチャ遊んでいます。



―― 子ども連れでの鉄道旅は楽しい反面、ちょっぴり胃が痛いことも多い……。鈴川さんはお子さんを連れて電車に乗るときにどんなことを心がけていらっしゃいますか?

鈴川:インターネットでなるべく事前にチェックしますね。エレベーターの有無はもちろん、在来線であれば車イススペースがある車両は比較的広さに余裕がありますし、時間帯によっては抱っこ紐で移動することも。そうそう、こんど新しく運行が始まる山手線の新型車両は全車両に車イス/ベビーカースペースができるんですよ。時代がようやく動いてきたなぁって感じてます。

―― 鉄道のほかに鈴川さんはYouTubeチャンネルでおもちゃレビューもされていますよね。

鈴川:鉄道系のおもちゃが多いんですけどね……。でも今アツいのは、最近発売になった『ピタゴラスイッチ』(NHK)のゴール部分だけを再現した「ピタゴラゴール1号」というおもちゃ。私の場合はプラレールで装置を作って、ゴールと繋げてます。これはかなり熱中してしまいますよ。

▼ピタゴラゴール1号
https://www.youtube.com/watch?v=nskZ0dQZb28


ピタゴラスイッチ ピタゴラゴール1号


―― 親のほうがハマりそう(笑)。

鈴川:そうなんです。でもそれくらいでいいかなとも思います。どんなおもちゃでも「一緒に遊ぶ、夢中になる」っていうのが大事なのかも。ブロックひとつ重ねられたら「すごいね」って拍手したり、リアクションを示すことでコミュニケーションになりますし。あまりおもちゃを与えすぎるのはよくないという意見もありますが、今の段階ではなるべく色々な種類のおもちゃに触れさせて、自分が好きなものを見つけてほしいなと考えています。

―― とはいえ、おもちゃ屋さんに行くと迷ってしまう……。

鈴川:今はネットの動画にひとつのおもちゃに対するたくさんのレビューがあがっているので、製品名で動画検索をかけて、まずはそこで安全性や子どもの反応をチェックするのも手ですよ。

―― 子ども自身に動画を見せることについては?

鈴川:そうですね。これも賛否両論あるみたいですが、見せることもあります。とりあえず画面にブルーライトのカットシートは貼って、長時間は見せないのをルールとして……。見せるとしたら、おもに電車内とかでうるさくなってしまうときかな。本当に不思議なもので、お気に入りの動画を見せただけで泣き止む。抱っこしてもミルクあげてもダメだったのに(苦笑)。でもそれは私の仕事においても参考になっていて、「あぁ、こういうのが子どもは好きなんだな」とか。YouTubeを使ってそういう情報も発信していきたいということも考えています。

―― 車内でのスマホ、助かる〜。ちなみにお子さんはどんな動画が好きなんですか?

鈴川:本当にただ電車が走っている動画や、運転席からの前面展望なんかをひたすら見ています。あとYouTubeでは有名な、三姉妹によるおもちゃレビュー(=『Kan & Aki's CHANNEL』)。大人から観たら子どもがただおもちゃで遊んでいるだけなんですけど、うちの子はそれをニコニコしながら観てますね。子ども同士分かることがあるのかな? 動画のセレクトも含めたスマホの管理さえ親がしっかりしていたら、テレビの子ども番組を見せることとそんなに変わらないのでは、と私は思っています。

―― 子育てでの悩みはどうやって解消していますか?

鈴川:もともと家事などもテキトーなほうで、子育てに関してもあまり深刻に考えずに今までやってきました。楽しく家族で過ごせれば、細かいことはまぁいいかって。でもそれっていつも身近に鉄道があったからかなとも思う。心の拠り所というか。産後まもなくから鉄道の仕事をたくさんさせていただいたので、それが逆に育児のストレスを忘れさせてくれたんだと思います。出産あたりから芸人活動の中心の場がYouTubeに移ってきて、仕事のスタイルを自宅寄りに変えることができたのもラッキーでした。

―― 今まで芸人さんであれば、テレビか劇場か、と出演する場が限られていたと思うのですが、インターネットによってそれも変わりつつあると。

鈴川:メディアにやりたいことを合わせるのではなく、自分がやりたいことを発表できる場があるのは大きな変化だと思います。賞レースで勝つことを望む芸人さんは劇場でがんばるし、私のように自分の好きなことをやりたい人はインターネットを使うこともできるし。

―― 鈴川さんがこれからチャレンジしてみたいことは?

鈴川:相当な大きな夢ですけど、いつか自分で車両をプロデュースしてみたいです。子どもができてから鉄道に注目する点も変わってきました。車イスやベビーカーのスペースだったり子ども向けサービスの有無とか。鉄道は公共の交通機関であり、どんな人でも利用できるのが理想。誰も気兼ねなく電車に乗れる未来であればと心から思います。

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キュートな笑顔にアツい鉄道トークのギャップがたまらない鈴川さん。まさに「京急を愛する人に悪い人はいない(※西澤調べ)」。子育ても電車も、走り出したら止まらない、止まれない。だからこそ元気なときは特急で、疲れたときはのろのろ徐行で、自分のペースで進むことが大切と勝手に勇気づけられた次第です。

鈴川絢子 YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/user/suzukawaayako

西澤 千央(にしざわ ちひろ)
フリーランスライター。二児(男児)の母であるが、実家が近いのをいいことに母親仕事は手抜き気味。「散歩の達人」(交通新聞社) 「QuickJapan」(太田出版)「サイゾーウーマン」などで執筆中。

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