不整脈と脳梗塞の早期発見の研究として
おなじみのアップルのスマートフォン「iPhone」、スマートウォッチの「AppleWatch」。先日この2つの機器を正式に活用した、不整脈と脳梗塞の早期発見のための国内初の臨床研究を、慶應義塾大学医学部が開始したと発表し大きな話題となっています。
臨床研究といえば、ほとんどの場合は研究主体の大学病院に出向き、さまざまな書類にサインし、そのあとまたさらにさまざまな検査を行い、場合によっては定期的な通院が必要とされるなど、研究する側、被験者側両方に大きな負担がかかるもの。 一方で、iPhoneとAppleWatchには、加速度センサー、ジャイロスコープ、心拍計など多くのセンサーが搭載されていますので、一部の臨床研究についてはスマートフォンが活用できるとの期待が寄せられていました。研究に簡単に参加できるようになれば、研究成果をより出しやすくなり、新しい治療法や医薬品、機器の開発に寄与できるというわけです。
研究を後押しするAppleの「Research Kit」を今回の臨床研究に活用
とはいうものの、デリケートな情報をスマートフォン経由でやりとりすることに、不安がつきまとうのも事実。その不安を、アップルは今年3月に発表した「Research Kit」という仕組みで解消しています。この仕組みでは、アップルには何もデータが残らず直接医療機関に送られ、中間の経路でデータ漏えいが起こる可能性はありません。今回慶應義塾大学医学部内科学教室（循環器）の福田恵一教授、�盞鄒浸塀擽擬�らのグループが発表したiPhoneアプリ「Heart & Brain」も、この「Research Kit」を使ったものです。
アプリをダウンロードし、質問に答え、少しiPhoneを振る？だけ
この「Heart & Brain 」というアプリ、実はもうダウンロードできる状態です。というわけで編集部ではさっそくダウンロードし、研究に「参加」してみました。ご興味のある方の参考になればと思います。
【STEP1】 アプリをダウンロード
App Store を起動させたら、「慶應」で検索してみてください。「Heart & Brain 」が表示されます。
【STEP2】 説明と同意
「Heart & Brain 」を起動すると、最初に研究参加の流れと安全性についての説明が出てきますので適宜見て、画面を進めます。最後に同意画面が出ます（手書きでサインを求められます）。
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【STEP3】 研究開始！
その後、参加者のデータを収集するステップになります。iPhoneで自動的に歩数などを計っている「ヘルスケア」アプリから、データを収集してもいいかとまず問われます。その後、22の質問に答えるステップに入ります。数が多いですが、スマートフォンならではの回答のしかたが取り入れられているので、比較的やりやすいですね。
【STEP4】 スマホを持って軽く運動したり、カメラの前で笑ったり？
その後「運動麻痺評価」「顔面運動評価」「協調運動評価」に入ります。これは詳しく書きますと、実際にトライする時の楽しみが減りますのでほどほどにさせていただきますが、スマホを持ったまま、少し我慢したり、笑ったり、ひたすら手首を動かしたり、なかなかハードです！
アプリをダウンロードしてから完了まで20分弱
すべての入力が終了すると、データは研究グループに送られ、自分のデータはそのままアプリ内で見られます。正確に時間を計っていた訳ではありませんが、アプリをダウンロードしてから終了するまで20分もかかっていない感じでした。
今までの「研究参加」のイメージからはかなりかけ離れた手軽さに感じましたが、むしろこれまでの臨床研究のハードルが高過ぎたのかもしれませんね。この研究の成果が、予防法や治療法などの結果に早く結びつくことを期待しましょう。（QLife編集部）
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