「まーるかいてちきゅう〜♪」 「本当にゆる〜い感じ」が逆に良い! ミュージカル『ヘタリア』ゲネプロレポート

2

2015年12月27日 17:11  おたぽる

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

おたぽる

ミュージカル『ヘタリア〜Singin' in the World〜』。

日丸屋秀和の人気コミックが原作のミュージカル『ヘタリア〜Singin' in the World〜』が、クリスマスイブの24日より、Zeppブルーシアター六本木にて幕を開けた。



 原作コミックは累計400万部を超え、2009年にはアニメ化。今年7月よりアニメ新シリーズ『ヘタリアThe World Twinkle』がdアニメストア他にて配信されるなど、長年わたりその人気を博してきた本作は、世界史をモチーフとし、さまざまな国固有の風潮や気風、風土などを模したキャラクターが織りなす国の擬人化コメディだ。最近では名刀の擬人化した『刀剣乱舞』や鉄道擬人化の『青春鉄道』など、多数の擬人化がミュージカル化され注目を集めた。今作も舞台化をめぐり、原作ファンからさまざまな声が上がり話題を呼んだ。



 初日を前に行われた囲み取材には、メインキャスト9人が登場。主人公・イタリア役を演じる長江崚行の「このキャスト陣を見てくださったらわかると思うんですけど、本当にゆる〜い感じで……」との発言に、フランス役の寿里を筆頭に、キャスト陣から総ツッコミが入る場面も。「どこまでが台本でどこからがアドリブかわからないようなっているゆる〜い感じになっているので皆さんも存分に楽しんで帰ってくださるんじゃないかと」と、見どころを語った。



 原作の通り、舞台版でも第一次世界大戦から第二次世界大戦を時代背景に始まり、主人公・イタリアとドイツ、日本の枢軸国を中心に、史実とジョークを交えコミカルに“ヘタリア”の世界観が色濃く描かれている。



 長江は“ヘタレ”だが、どこか憎めないイタリアを愛嬌たっぷりに好演。そんな彼と凸凹コンビを組み、腕っ節が強い生真面目な型物・ドイツを近江陽一郎が力強く表現する。植田圭輔は物静かで控えめな日本を落ち着いた立ち廻りで演じた。



 美しいものを愛し、気取り屋なお兄さんのフランス役の寿里は、囲み取材時キャスト陣のツッコんだりフォロー役に回ったりと、場を盛り上げるその姿は、“世界のお兄さん”と自称するフランスの役柄そのもの。その他、ポジティブでファーストフードをこよなく愛する自由人・アメリカ役を磯貝龍虎、元ヤンで皮肉屋、負けず嫌いなのにロマンチストな一面もあるイギリス役を廣瀬大介、素朴な笑顔の裏に何とも言えない威圧感のあるロシア役を山沖勇輝、見た目は若々しいが実は年長者で可愛いものには目がない中国役を杉江大志が演じている。菊池卓也演じる古典音楽と製菓が趣味のオーストリアが、歌唱やピアノやヴァイオリンの演奏でストーリーに華を添えていたのも印象的だった。キャストの個性がキャラクターの魅力をより引き出し、にキャスト陣の熱演もまた、見どころのひとつ。



 ラストではアニメ『ヘタリアAxis Powers』の主題歌でもある、「まるかいて地球」をキャスト全員で披露。ヒップホップやロックなど、歌やダンスでそれぞれの国の特徴を表現し、作品の世界観をより魅力的に演出していたのも、ミュージカル作品ならでは。



 また、磯貝が「ヘタリアを知っている方も知らない方も楽しく歴史が学べるコミカルな作品となっていると思います」と語るように、ヘタリア初心者の方も十分に楽しめ、世界の歴史や経済、文化などを勉強していれば、ギャグの奥深さにより一層作品の世界観に浸れるだろう。



 取材時の自己紹介から役になりきってカタコトの日本語で挨拶をし、取材陣の笑いを誘った杉江。「とにかくワクワクして、わー! ってなって、うわぁってなって、あははは! ってなっていただけると思うので、楽しんで帰っていただけいただけたらなと思います!」と擬音たっぷりに語ったが、これを聞いた植田が「どうやって文章起こすんだよ!」とツッコミを入れ、当の杉江は「そのまま書いてくださいよ!」と一言。これにはキャスト陣からも取材陣からも笑いが起こった。和気あいあいとしたこのやりとりからも、出演者の仲の良さが伝わる。



 脚本は舞台『ギャグマンガ日和』のなるせゆうせい氏、演出は、舞台『戦国無双』や超歌劇『幕末Rock』の吉谷光太郎が担当。加えて衣装は原作の日丸屋秀和氏自らがデザインをし、音楽はミュージカル『AMUNESIA』のtak氏、振付にはミュージカル『ハートの国のアリス』や氣志團の振付師として活躍するMAMORU氏と、キャストとスタッフが一丸となって舞台版「ヘタリア」の世界を作り上げている。



 26日(土)の12時公演を17時間公演では、ニコニコ生放送でのネット配信も行われ、ネットでは、「チケット買えなかったけど、ニコ生で観れた!」「キャストの声がアニメ声優陣とそっくりですごい!」「ニコ生配信とか有難かった」などと声が上がっている。



 公演はZeppブルーシアター六本木にて29日(火)まで。キャスト陣が声を揃えて言うように、何も考えず肩の力を抜いて個性豊かなキャラクターのドタバタコメディを楽しんでみてはいかがだろう。そして、きっと、公演後の帰り道で「まーるかいてちきゅう〜♪」と口ずさんでいるだろう(ちなみに筆者は数日経った今でもメロディーが頭から離れない……)。



ミュージカル「ヘタリア〜Singin' in the World〜」
■公演期間2015年12月24日(木)〜29日(火)[全11公演]
■劇場 Zepp ブルーシアター六本木
■料金 7,900円



■脚本 なるせゆうせい
■演出 古谷光太郎
■製作 ポリゴンマジック
■主催 ミュージカル「ヘタリア」製作委員会(フロンティアワークス、ポリゴンマジック、セガ・ライブクリエイション、KADOKAWA)



■出演
イタリア役/長江崚行
ドイツ役/近江陽一郎
日本役/植田圭輔
アメリカ役/磯貝龍虎
イギリス役/廣瀬大介
フランス役/寿里
ロシア役/山沖勇輝
中国役/杉江大志
オーストリア役/菊池卓也



(c)日丸屋秀和・幻冬舎コミックス/ヘタリア製作委員会 (c)ミュージカル「ヘタリア」製作委員会


このニュースに関するつぶやき

  • 楽しかったなー�ϡ���
    • イイネ!2
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ランキングゲーム・アニメ

前日のランキングへ

オススメゲーム

ニュース設定