1日15分でできる健康法「インターバル速歩」の運動効率を高める物質が明らかに

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2016年01月21日 12:00  QLife(キューライフ)

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「さっさか歩き」と「ゆっくり歩き」を数分間ずつ交互に繰り返すトレーニング

 SBIファーマ株式会社と信州大学 先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所の能勢博教授らのグループは1月4日、インターバル速歩トレーニング(IWT)に参加している高齢女性のサイクリング負荷試験時に、5-アミノレブリン酸(ALA)とクエン酸第一鉄ナトリウム(SFC)を摂取すると運動効率が上昇するという研究論文を発表しました。

 IWTとは、「さっさか歩き」と「ゆっくり歩き」を数分間ずつ交互に繰り返すトレーニング方法。筋肉に負荷をかける「さっさか歩き」と、負荷の少ない「ゆっくり歩き」を合わせることで、筋力・持久力を無理なく向上させることができ、骨密度の増加や生活習慣病リスクの改善などにも効果があるとされています。また運動時間も1日トータル15分と短いことから、手軽さに長く続けることができる、体力のない高齢者や忙しくて時間がとれないという人でもやりやすいトレーニングです。

 今回の研究は、このIWTを行った高齢女性にALAとSFCを摂取してもらい、運動効率がどのように変化するかを検討したものです。ALAは、体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸の一種。ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与する機能分子の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。もう1つのSFCは、貧血の治療や予防に有効とされる化合物で、古くから医薬品や健康食品に利用されています。

高齢者の日常生活改善につながるか

 この研究では、12か月以上IWTを行い試験当時もIWTを実施していた65±3歳の10人の女性に対し、試験食またはプラセボをそれぞれ、2週間の無摂取期間を挟んで前後7日間、時期をずらして食べてもらいました。そして、試験食摂取前後の試験においては、室温27.0℃および湿度50%という環境下で、段階的に負荷を増やすサイクリング試験を行い、酸素消費量、二酸化炭素排出量や血漿中乳酸値を測定。さらに、試験食摂取期間の最初の6日間には、IWTの運動強度を加速度測定法という方法を用いて測定しました。

 その結果、試験食を摂取した期間では、段階的サイクリング負荷試験実施中の酸素消費量と二酸化炭素排出量がそれぞれ12%と11%、血漿中乳酸値は16%といずれも有意に減少しましたが、プラセボ摂取期間では変動がありませんでした。また、トレーニング日数、早歩きの強度と時間は、試験食摂取期間の方がそれぞれ42%、102%、69%増加しました。これらの結果から、試験食の摂取は運動効率を上昇させ、これにより高齢女性のIWT成績を改善することが示されたとしています。

 超高齢化社会を迎えた日本。運動効率は年齢とともに低下し、高齢者の日常基本動作を制限することが知られています。ALA、SFCともにすでに食品や医薬品として利用されており、ヒトでの安全性も確認されていることから、研究グループは、これらを併用摂取することでとくに高齢者の日常生活を改善することができるのではないかと期待しています。(QLife編集部)

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