名車ソアラが帰ってくる。
レクサスがデトロイトモーターショーで新型ラグジュアリークーペ『LC500』を公開、日本では2017年春に発売予定だという。
トヨタ「ソアラ」を振り返る
1981年、初代『ソアラ』は誕生した。ゆったりとした車体サイズで、流麗なデザインをもつ『ソアラ』はラグジュアリークーペとしてデビュー、日本のみならず世界中で人気を博した。
『ソアラ』人気を決定付けたのは、1986年デビューの2代目『ソアラ』。バブル経済の発展に伴い拡大する日本人の上昇欲求に見事にマッチし、“ハイソカーブーム”を牽引。
“ハイソカー”とは“ハイ・ソサイエティ・カー”の略、上流階級社会への憧れを表したカージャンルであり、当時はいくらでも女性がついてきたという伝説がある。
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カーデザインの拡大指向はとどまらず、3代目『ソアラ』はアメリカ市場をメインターゲットにさらに拡大、大排気量化。
一方日本のバブル経済は崩壊、一気に不人気車へと転落してしまう。その後オープン・カーに変貌を遂げ、レクサスに『SC』としてラインナップされることになった。
高いスポーツマインド
こうした歴史から『ソアラ』、『レクサスSC』というとナンパなイメージがつきまとうが、その実情はかなり異なる。
もとより『セリカXX』、『スープラ』と共通化されたコンポーネントを使うことで、スポーツクーペとしての性能は一級品であり、特にツインカム・ツインターボや電子制御サスペンション、エレクトロマルチビジョンなど新技術の導入が早いのも特徴だ。
その結果、スポーツとラグジュアリーを両立した稀有なモデルとなっている。
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今回デビューする『LC500』もその系譜を受け継ぎ、フロントミッドシップレイアウト、カーボン素材採用による軽量化、世界初の10速オートマチックトランスミッションを搭載するなど、スポーツ性能とラグジュアリーを高い次元でバランスさせたモデルとなる。
『レクサス RC-F』でも採用される 5リッターV8エンジンは、475馬力・530Nmを発揮して、エンジン重心位置が前輪軸後ろにくるように搭載する。
『LFA』に通じる、低く長いボディはエレガントであり、まさにラグジュアリークーペに相応しいものだ。
熾烈なラグジュアリークーペ・マーケット
世界で燃費競争、次世代車開発に凌ぎを削っている一方、大排気量の大型クーペが市場に投入されるのには理由がある。
世界経済が好景気の結果、富裕層にラグジュアリークーペやSUVの売れ行きが好調なためだ。レクサスブランドはその層をターゲットにしているため、他メーカーの後塵を拝するわけにはいかないという事情もある。
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すでに、スポーツクーペ『RC-F』が市場投入されているが、さらに『LC500』が投入されることで、ラインナップが充実していくことになる。
『RC-F』はサーキットに似合うが、『LC500』はアーバンライフが似合うことだろう。
バブル時代の『ソアラ』のように、再び世界中の夜の街を席捲するだろうか。
【参考・画像】
※ LEXUS、デトロイトモーターショーで新型ラグジュアリークーペ「LC500」を世界初公開 – TOYOTA Global Newsroom
【動画】
※ LEXUS LC500 – YouTube