大人気アニメ『聖闘士星矢』。超人的な戦士である「聖闘士(セイント)」の活躍を描いた作品です。聖闘士は女神アテナを守護する使命を持ち、男性である事が基本ではありますが、そんな中、今回ご紹介させて頂く「蛇遣い座のシャイナ」は、数少ない女性聖闘士のひとりです。聖闘士はその強さにより「黄金聖闘士」「白銀聖闘士」「青銅聖闘士」などにランク分けされ、それぞれ12人、24人、48人が最大の「定数」となっています。「シャイナ」は女性聖闘士でありながら、この中の「白銀聖闘士」(シルバーセイント)に属する実力の持ち主です。
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【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■星矢との因縁
決められた数の聖衣(クロス)をまとう聖闘士になる為には、激烈な競争を勝ち抜かなければなりません。そして、「天馬(ペガサス)」の聖衣を主人公「星矢」と争ったのは巨漢「カシオス」でした。圧倒的な力を持っているはずの「カシオス」でしたが、結局小宇宙(コスモ)を燃焼させた「星矢」に打ち破られてしまいます。「シャイナ」はその「カシオス」の師匠であり、この出来事以来、師弟にとって「星矢」は憎むべき相手となったのです。以後、シャイナは事あるごとに星矢の命を狙うようになり、物語序盤では敵役のひとりという位置づけです。
■憎しみは愛情へ
ところが、そのうちにシャイナに変化が表れ始めます。アテナたる「城戸沙織」がさらわれ星矢が救出に向かったくだりでは、星矢と沙織の間にただならぬ空気が漂ったのを見て逆上するのです。彼女のセリフにも、「星矢は殺す!あの小娘と引き離してね!」「星矢は私のものだ!」とあります。星矢が鈍いのか、はたまたアテナ救出で頭が一杯だったのか、これほど激しい愛の告白に気付いてもいません。「愛する相手を独占したいが為に殺す」というのは、古今東西に見られた激しい愛のありかたです。
女性が聖闘士になるには、女性である事を捨てる為に仮面を付けなければなりません。しかし、かつてシャイナは素顔を星矢に見られ、ウサギを可愛がるという女性らしい感情を見られた上に、怪我の手当までされた事がありました。素顔を見られた女性聖闘士は相手を殺すか、愛するかという二者択一が聖闘士の掟なのです。
■生死の境での告白
聖域(サンクチュアリ)から、星矢たち青銅聖闘士抹殺のため、黄金聖闘士「アイオリア」が差し向けられます。その直前まで星矢を殺そうとしていた「シャイナ」は、一転して星矢を助けようとしますが、その為に彼女までが「アイオリア」に殺されそうになります。星矢をかばいアイオリアの拳を受けて重傷を負い、ついに星矢の腕の中でシャイナは(鈍感な星矢にも分かりやすく)愛の告白をするのです。「あんたの小宇宙はやさしくてあったかい・・・」と、ほぼ死亡フラグが立つのですが、この時のシャイナは愛する人をかばってその腕の中で息を引き取るという至高の喜びの中にいた事でしょう。
■星矢のサポート役に
このままシャイナが死ねば「レ・ミゼラブル」のエポニーヌになっていたところですが、同作は少年向け作品。生き残る事が教育的配慮ってものです。この後、シャイナは青銅聖闘士たち(特に星矢)をサポートする役割として活躍し、続編の「聖闘士星矢Ω」では主人公「光牙」の師匠として登場します。めでたしめでたしと言いたい一方で、なんとなく“その他大勢”になってしまった感は否めません。あの時星矢の腕の中で死んでいれば、星矢の心の中では“永遠なる絶対的ポジション”を占める事も出来たのかもしれません・・・。
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★記者:ルーデル(キャラペディア公式ライター)