花粉症が治るって本当?最新治療をチェック

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2016年02月26日 00:02  オズモール

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オズモール

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花粉症は一度かかると基本的に治らない…とよく聞くけれど、「治療が長期間に渡ったり、治療時期を選ぶ必要があったりしますが、症状緩和が期待できる新しい治療法が登場しています」と、銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子さんは言う。

また、実用化までに数年かかるものの、手軽に花粉症治療ができる方法も研究されているとか。そこで、そんな花粉症の最先端の治療法のなかで、特に注目を集めている治療法について詳しく教えてもらった。


◆舌下(ぜっか)免疫療法

花粉症を完治させる可能性があると注目を集めているのが、「舌下(ぜっか)免疫療法」という治療法。これは、アレルゲン(アレルギーの原因物質)であるスギ花粉と同じ成分を含むエキスを1日1回、舌の下にたらすことで、少しずつ体質を改善していくものだそう。

「これまでに治療を受けた患者の2割は完治、6割は症状が軽くなり、2割は無効という結果が出ています。ただし、効果が出るために少なくとも2年間は続け、効果が認められれば4〜5年継続する必要があるといわれているので、何年かは、花粉のツラい症状を我慢しなければなりません。アレルゲンを体内に入れるので、スギ花粉が飛散する前後も含め、1月から5月の間はこの治療を開始できません。また、頻度は非常に低いですが、強いアレルギー反応(アナフィラキシーショック)をおこす危険があります」(同)

そのため、花粉シーズンを避けて治療をスタートする必要があるとか。来シーズンに備えて検討するなら、スギ花粉が比較的少ない6月以降がそのタイミング。治療をスタートすると、数カ月に1度の通院をする以外は、自宅で毎日エキスを舌の下にたらすだけ。治療費の目安は、保険適用(3割負担)で年間2万5000円くらいと考えて。また、小児や妊婦など適応にならない人もいるので担当医に相談しよう。


◆レーザー治療

鼻づまりがひどくて薬では改善しない場合に人気が高いのが、「レーザー治療」。こちらは鼻の粘膜全体にレーザーを当てて、できたかさぶたをすべて削ることで、花粉に過敏に反応しないようにする治療法とか。通常は、粘膜へのダメージが最小限で済む炭酸ガスレーザーを使用するそう。

「花粉が飛び始める少し前の12月〜1月に治療を受けると、予防効果が高いとされています。ただし、効果の程度は個人差があり、また、一生涯効果が持続するわけではありません」(同)

クリニックによるけれど治療時間の目安は30分〜1時間ほどで、金額は1〜3万円程度。ただし、人によっては頭痛などの副作用も出ることもあるので、医師に十分に相談が必要。また、妊娠中や授乳中の人、重度の感染症や糖尿病の人は受けることができないそう。


◆スギ花粉症緩和米

近未来の治療法として注目されているのが、花粉入りのお米である“スギ花粉症緩和米”。こちらは、約5カ月の間、1日1回、これを食べることで、少しずつアレルギーに抵抗力をつける減感作療法のひとつとか。

「遺伝子組み換え技術を応用することで、アレルゲンをお米に含むというもので、8週間程度で効果が出ることが期待されているそう。アレルゲンの中でも体が異物と反応しづらいタンパク質だけを使っているので、副作用は起きにくいそうです」(同)

研究で効果は確認されているというこのお米だけれど、残念ながら認可取得などのため、実用化まで7〜8年はかかるとか。いつか花粉症を卒業できる日を信じて、新しい治療法もチェックしておこう。




慶田 朋子
銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。1999年、東京女子医科大学医学部卒業後、同皮膚科学教室入局。美容クリニック勤務などを経て、2011年に現クリニック開設。メスを使わないリバースエイジングケアをモットーに診察を行う。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。著書に『365日のスキンケア』(池田書店)がある。

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