在宅を断念する理由の第1位は「入院」
大切な家族が、そして自分が「要介護状態」になったとき、自宅でケアをするのか、介護施設に委ねるのか・・・。介護サービスを展開する株式会社やさしい手が、自社の訪問介護サービスに従事する営業責任者373名に対して、「要介護者の在宅生活を阻む要因」についてアンケート調査を行いました。
この調査は、同社の訪問介護サービスを利用する高齢者(要介護者)で、在宅生活を中断または在宅生活が不可能になった人々を対象としています。在宅生活が不可能になってしまった理由を尋ねたところ、全回答の66.0%を占めたのは「入院」です。
入院・入所に至る理由は、「要介護者の病状悪化(28.2%)」、「急病(15.5%)」、「怪我(14.2%)」、「心身機能の低下(6.8%)」、「認知症の悪化(6.6%)」と、要介護者の状態変化によるものが約7割。具体的には、転倒骨折や肺炎、「トイレに一人で行けなくなってしまった」、「食事を摂れなくなってしまった」などといったことが挙げられています。一方、介護者の事情によるものは12.1%で、要介護者の状態変化が大きな要因となっていることが分かります。
医療費・介護費用の負担が大きなハードルに
要介護者が在宅生活を継続するためには、どのような施策が必要なのでしょうか。この質問の回答として多かったのは、「在宅医療の導入(24%)」、「24時間対応の訪問介護サービスの導入(19%)」、「緊急時対応(13%)」の3つで、6割近くとなりました。そのほかには「定期巡回、訪問看護」、「食生活の改善と管理」、「福祉用具活用」、「ご家族の介護等の増加」といったものが挙がりました。
しかし、これら全てを充実させるためには、医療費、介護費用ともに、それなりの費用がかかります。QLifeが行った在宅の医療費負担についての調査でも、在宅医療サービスを受けている家族の76.4%が在宅医療費を負担に感じていることが分かっています。
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「自宅」で介護を受けるために、社会による支援と同時に、転倒骨折や自力での生活維持が困難にならないための、身体づくりやバリアフリーの取り組みが一層求められています。(宮坂方子)
関連リンク
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