脳卒中患者の社会復帰は後遺症が壁に。社会復帰をかなえる鍵とは?

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2016年03月16日 18:11  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

脳卒中患者さんの半数以上が転職や離職を経験

 日本では脳血管疾患が死因の第4位になっており、脳卒中の患者さんが150万人ほどいると言われています(平成26年度厚生労働省調べ)。脳卒中と聞くと高齢者の疾患であるイメージがあるかもしれませんが、割合は低いとはいえ、近年30代、40代の患者も増えているそう。脳卒中の患者数は2025年には倍増すると予測されており、若い人にとっても決して他人事ではないのです。

 脳卒中を経験した患者さんは、どのような生活の変化があったのか、何を求めているのか、脳卒中患者さんのリハビリ支援を行う株式会社ワイズが、脳卒中経験者310名とその家族310名に対してアンケート調査を行いました。

 脳卒中を経験した後の社会復帰について尋ねたところ、20代から50代の勤労世代で仕事環境に変化があった人は55.3%に及びました。その内訳は、「同じ職場にて部署や職種の変更(12.3%)」「転職(14.2%)」「離職後求職したが見つからなかった(10.1%)」「離職し、求職はしていない(18.7%)」。同世代でも後遺症を抱えた人に絞ると、仕事環境に変化があった人は64.4%に上りました。

多くが「リハビリ環境が不十分」と回答。情報の充実が求められている

 仕事を変えた、または辞めた人に対して今後の就労意欲について尋ねたところ、就労意欲がある人は合計50.9%。世代別に見ると、20〜30代で80%、40代で69%、50代で61%と、年齢が若いほど再就労を希望しています。一方で、転職や離職に至った理由として挙がったのは、「後遺症により復帰が困難(53.1%)」、「病後も続けるにはハードだったため(30.4%)」、「周囲の助言、すすめ(14.7%)」。就労意欲はあっても、後遺症が残ってしまうと再就労が難しい現実が浮かび上がってきます。

 後遺症を抱える人たちが社会復帰するためには、身体能力を取り戻すためのリハビリテーションが必要です。しかし現状の医療保険制度では、病院におけるリハビリ期間は150日(重度の場合は180日)に限定されています。現状のリハビリについて意見を聞いたところ、54%の人が「リハビリ環境が不十分」と感じていました。具体的な希望としては、「維持ではなく改善したい(73.4%)」、「回数や時間の制限なくリハビリしたい(65.6%)」、「専門家のリハビリ継続(61.3%)」、「社会復帰のためのリハビリ(54.8%)」といった回答が挙がっています。

 今後求めるものとしては、「有効なリハビリ方法についての情報」や「自宅でできるトレーニングメニュー」、「介護者同士の情報交換の場」といったものが挙がっており、そもそもリハビリに関する情報が足りていない実情がうかがえます。財政難から医療保険制度の充実が期待できない今、せめて必要な情報が手に入る環境を実現していきたいところです。(宮坂方子)

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  • 左半身麻痺の上に失語症が残り時給200円のB型作業所で働いてます。とりあえず最低賃欲しいよ(>_<)
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