女性特有の健康リスク対策で他の先進各国に後れを取る日本
欧州ビジネス協会のダニー・リスバーグ会長在日米国商工会議所(ACCJ)と欧州ビジネス協会(EBC)は3月16日、「女性の健康と経済成長」と題した女性医療政策白書2016年版を発表。これを受け同日、都内の日本外国特派員協会で記者会見を行いました。
この白書は、女性の健康増進を通じた女性の活躍推進と経済成長に対する政策提言書。2015年5月に発行されたACCJ・EBC医療政策白書2015年版をもとに作成されており、女性の健康に関する問題と経済成長を関連づけた初めての白書です。
同白書は、乳がんや子宮頸がん、月経随伴症状など女性特有の健康リスクの予防と治療を目的とした包括的な施策の実施において、日本は他の先進各国に後れを取っていると指摘。女性特有の健康リスクに対する認識を向上させ、婦人科健診や婦人科治療へのアクセスを改善することが、女性が職業生活を通じて健康を維持する上で不可欠だとしています。
EBCの会長で株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンの代表取締役社長でもあるダニー・リスバーグさんは「女性の健康は、日本にとって非常に重要なテーマだと思っています。ただ働くだけでなく、健康で、将来をみえるように、楽しく働くことが大切だと考えています」と、記者会見で語りました。
「ヘルスリテラシーと教育」「女性の健康」「リプロダクティブヘルス」
今回の白書では、政府や企業向けの提言を意識して、最新の科学的根拠にもとづくデータや成功事例をもとに、数多くの提言を掲載。「ヘルスリテラシーと教育」「女性の健康」「リプロダクティブヘルス」(性と生殖に関する健康)を中心に、以下8つの課題領域における提言がまとまっています。
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【ヘルスリテラシーと教育】
・女性の健康教育の導入によるヘルスケアリテラシーの向上と女性の活躍推進への貢献
【女性の健康】
・婦人科検診の促進および婦人科検診へのアクセス向上
・性感染症の蔓延阻止
・子宮頸がんの予防の推進
・骨粗しょう症による骨折の予防
【リプロダクティブヘルス】
・経口避妊薬(OC)へのアクセス改善
・不妊治療へのアクセス改善
これら個々の政策提言の内容と白書の全容はACCJのウェブサイトからチェックできます。政府や企業に対するメッセージとしての意味合いが強い白書ではありますが、今後の日本を支える女性たちの健康の在り方を考えるきっかけとして、目を通してみるのがよいかもしれません。(QLife編集部)
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