ジョブズも実践していた「瞑想」。なぜ世界のトップ企業の経営者たちが取り入れるのか?

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2016年04月18日 22:02  新刊JP

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『世界中のトップエリートが集う禅の教室』(KADOKAWA刊)
アップルのCEOを務めたスティーブ・ジョブズや、ツイッターの創業者のエヴァン・ウィリアムズ、世界最大のヘッジファンドの1つであるブリッジウォーター・アソシエイツのCEOを務めるレイ・ダリオといった世界のトップ企業の経営者たちに共通することがある。

それは、禅や座禅を実践していることだ。

『世界中のトップエリートが集う禅の教室』(川上全龍著、石川善樹協力、KADOKAWA刊)では、マインドフルネスとして注目を集める座禅の科学的な効用とともに、今の時代に見直すべき禅的思考を解説している。

■「マインドフルネス」の流行から瞑想がブームに

なぜ世界のトップエリートたちは、禅を実践するのか。その背景にあるのは「マインドフルネス」というものの世界的な流行が背景にある。マインドフルネスは、自分の内面で起こっていることに気付き、それを客観的に見つめなおすことで心のコンディションを調え、より自制心や創造性を発揮しやすい状態を作るエクササイズのこと。とりわけ仏教、中でも上座部仏教や禅宗が行ってきた瞑想を、最新の脳科学の知見などを踏まえて現代に合うように作りなおした瞑想トレーニングのことだ。

2008年のリーマン・ショックに直面し、多くの欧米人たちが、実践主義や勤労主義という考え方では、これからの経済や社会は立ち行かないことを自覚した。そこで、西洋とは違う思想や価値観を求めるという意味で、禅に注目が集まっているのだ。

■瞑想はEQを構成する要素を高める

また、かつては社会的成功のために最も重要視されていたのは知能指数(IQ)だった。しかし、このIQ、人間の成功にあまり貢献されていないことが研究によって明らかになっているという。

そこに心理学者のダニエル・ゴールドマン教授が新しい概念を提唱した。心の知能指数である「EQ」だ。性格や共感する能力こそが社会的成功のためには重要であることを説いたのだ。しかも、IQはどんなに頑張っても10歳には決まってしまい、それ以後はあまり変わらない。一方、EQは年齢に関係なくトレーニングにより向上させることができる。

2005年にGoogleがマインドフルネスを取り入れたSIY(Search Inside Yourself)という能力開発プログラムを導入している。自己意識・自己制御・モチベーション・共感・コミュニケーションという5つ着目した「心と思考力」を強化するプログラムだが、実はこの5つ、いずれもEQを構成するという。そして、この5要素を高める上で瞑想が有効だということが知られるように、ビジネスリーダーたちがこぞって実践するようになったのだ。

座禅は自分を調えるトレーニングであり、インドフルネスの根幹ともなっている。世界のトップエリートたちも実践した禅の考え方で、心のコンディションを向上させることで、仕事や生活の質も高くなるかもしれない。

(新刊JP編集部)

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  • 禅の本質は「禅という形式」ではない。ってハナシはさておき、禅というか哲学は、「何か特別なヒト」になるための十分条件ではないが、必要条件だ。
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