在宅介護を受けている要介護者の40%に「低栄養」の傾向

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2016年05月02日 12:00  QLife(キューライフ)

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介護者の7割以上が低栄養を「知らない」

 在宅介護では、要介護者の食事を介護者が用意するケースが多くあります。そこで気を付けたいのが、生命活動を営む上で必要な栄養素が取れていない状態を示す「低栄養」です。低栄養になると、身体機能や食欲が低下して栄養不良がさらに進むなどの悪循環に陥り、免疫力の低下による感染症など疾病のリスクが高まります。日清オイリオグループ株式会社が行った調査では、要介護者の40%がこの低栄養の傾向にあることがわかりました。

 この調査は、60歳以上の要介護度1〜3の要介護者を在宅介護しており、介護食を介護者が作っている30歳以上の男女100人を対象にしたもの。要介護者100人のBMI指数を計算したところ、低栄養傾向を示す数値であるBMI20以下の人が40%いました。BMIは人の肥満度を表す指数ですが、低栄養傾向にあるかどうかを判断する指標としても使われています。

 そこで、低栄養という言葉と意味を知っているかたずねたところ、言葉も意味も両方知っていた人は26%。残り74%は低栄養の意味を知らないという結果でした。低栄養についての説明をしたのち、要介護者の低栄養について将来的に不安があるかという質問には、不安が「ない」と回答した人が13%で、「あまりない」が39%でした。約半数が低栄養に関し、今後も不安を感じていないという結果でした。

体重の減少や咀嚼・嚥下機能の低下に注意

 体重は、低栄養傾向であるかを判断する指標の1つとなります。そこで、要介護者の体重を測る頻度を聞いたところ、「1か月に1度」が29%で最も多く、ついで「2〜3日に1度」が20%、「1週間に1度」が15%でした。1か月に1度以上と回答した人が74%だった一方、「3か月に1度」は26%で、「全く測ったことがない」という人も8%いました。少なくとも1か月に1度は測定するのがよいそうです。

 また、栄養摂取に影響する「噛むこと」、「飲み込むこと」について問題があるかをたずねたところ、21%が「両方に問題があると思う」と答え、「飲み込むことに問題があると思う」が22%、「噛むことに問題があると思う」が18%でした。61%が咀嚼や嚥下(物を飲み込むこと)に問題があると思っていることがわかります。咀嚼や嚥下機能の低下は栄養摂取量の減少につながるので、「問題がない」と思っている人も常に注意しておく必要があります。

 東京都健康長寿医療センター研究所 管理栄養士の成田美紀先生は、「低栄養による身体機能の低下は緩やかなので、ご家族の方が気づきにくく、気づいた時には入院や介護度の悪化につながることがあります」と指摘しています。このことからも、介護者は、低栄養についての正しい知識を持ち、要介護者の食事や体重に注意を払うことが大切といえそうです。

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  • 高栄養食たくさをでているので好きなの調べてくださいな。だいたいが噛まずに飲み込める形なので父にはまだ…オイルとか粉かけるのとかだろうなあ 在宅介護を受けている要介護者の40%に「低栄養」
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