部屋やベランダに季節の花を取り入れよう

1年の中で最も多くの花が咲き、グリーンも鮮やかになる5月。街や公園に咲く色とりどりの花が目を楽しませてくれる。

「この時季は花屋さんもとてもにぎやかです。部屋やベランダに季節の花やグリーンを飾れば、家の中が明るくなって、帰ってドアを開けたときに癒されますよ」と歳時記に関する書籍を出版している柳本あかねさん。

まず部屋に飾る切り花におすすめはなのは芍薬。濃いピンクの大きな花が、部屋の中を明るくしてくれる。咲いているものも売っているけど、つぼみを買ってくれば長く楽しめるとか。ただ、そのままではつぼみが固く開かないこともあるので、ちょっとしたコツが必要だそう。

「真ん丸のつぼみを軽く手でもんであげましょう。置いておくと蜜が出てくるので、ウェットティッシュで拭いてあげます。1週間くらいすると大輪の花が開きます」（同）

そしてこの時期に飾るグリーンとして、つるが美しい利休草もおすすめだとか。

「利休草は1年中売っていますが、この時期がいちばんグリーンがきれいです。花屋さんで100円くらいで手に入りますし、口の細い花瓶に1本差すだけですごく様になりますよ」(同)

切り花を長く持たせるには、花屋で買ってきたら生ける前に水の中で茎を斜めに切る、水切りをすることが大事だとか。そして毎日きちんと水を変えてあげることを忘れずに。

「そのときにヌメヌメしやすい茎も軽く洗うのがポイントです。あとはあまり日差しの強いところや、気温の高いところに置かず、たまに風を通してあげるといいですね」（同）

もっと長く花を楽しみたいなら鉢植えを買うという方法も。今の時期は紫陽花や紫の花がきれいなクレマチスがおすすめだそう。

また、ベランダがあるなら、夏に向けてグリーンカーテンになる植物を育て始めるのにもいい時期。ホームセンターでゴーヤの苗や朝顔の種、プランター、土、ネットがまとめて購入できる。ネットはベランダの手すりや物干し竿を利用して張るといいそう。

「自然な緑のカーテンは目にも優しく、直射日光を遮って部屋の温度を下げてくれます。ゴーヤで作れば収穫して食べることもできるし、朝顔で作れば長くお花を楽しむことができますね」（同）

部屋やベランダに花やグリーンを飾って、植物からのパワーをたくさんもらおう。


柳本あかね
日本茶カフェ「茜や」、お茶とお酒「茜夜」店主。日本茶インストラクター。きき酒師。グラフィックデザイナー。二級建築士。著書に『いちばんおいしい日本茶のいれかた』（朝日新聞出版社）、『神楽坂「茜や」の小さな暮らし』（河出書房新社）、『「茜夜」のシンプルに暮らす、小さなキッチン』（河出書房新社）がある。最新著書に『「茜や」の小さく楽しむ　おうち歳時記』（河出書房新社）。