なんだか色々な事に対するやる気がなくなってしまった・・・なんて事ありませんか?力をいれずに、何にあらがう事もなくただただのんびりと生きていきたいだけなのに、世間がそれを許してくれない・・・。そんな時に少しだけ心が楽になれる、筆者(20代)からのお薦め漫画を紹介したいと思います。
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■物陰に足拍子(内田春菊)
中学生のみどりは、兄と兄嫁の3人で暮らしています。学校も家も退屈・・・出来るだけ眠って過ごしたいと、すぐに押し入れで眠り始めるみどりに対して、嫌味を言う兄嫁。そして、「しゅん」という男の子との出会いをきっかけに、みどりは少しずつ自分や外の世界に関心を持つように。なぜこの人はこんな事を言うのだろう?、なぜこの人は私に対してこんな事をするのだろう?と、ひたすらに疑問を投げかけます。
今現在起こっている事には、自分で選んだものもあれば、誰かに選ばされたものもあるでしょう。自分の気持ちに注意深く耳を傾け、しっかりと自分自身で選択し前向きに生きていこうとするみどりの姿に心打たれる作品です。
■しらたまくん(いなばそーへー)
主人公のしらたまくんは、人間の言葉をしゃべる事のできる猫です。しらたまくんのお父さんとお母さんは、もともと飼い猫だったしらたまくんが人間の言葉をしゃべるようになってから、しらたまくんを人間として育てる事に。結果、しらたまくんは猫にもかかわわらず人権を持ち、学校にも通っています。
一見するとほのぼのギャグマンガのようですが、学生として悩み、猫としても悩むしらたまくんが、周囲の友達とひとつひとつ成長していく物語です。どれだけちっぽけな悩みも、その人にとっては無視する事のできない重要な悩みなのだと、自分を肯定するきっかけを作ってくれる・・・そんな作品です。
■臨死!江古田ちゃん(瀧波ユカリ)
24歳フリーターの江古田ちゃんが、世の中を皮肉る4コマまんがです。世の中には、自分ではどうしようもない理不尽な事がたくさんあります。そんな理不尽を、片っ端から皮肉って笑いに変えるところが爽快です。嫌な事があった時に読むと、「あーこれこれ、こんなことあったんだよ」と思いつつ、きちんとオチをつけてくれる江古田ちゃんに、「なんだ笑えるじゃん」とどこか気持ちが軽くなります。
■ちひろさん(安田弘之)
主人公の「ちひろさん」はもと風俗嬢のお姉さん。現在はお弁当屋さんでバイトをしながらのんびりと暮らしています。愛想も良く可愛い。包み込むような優しさを持っている反面、厳しく叱ったり突き放すところもある、どこかミステリアスなちひろさん。そんなちひろさんのところに、かつての後輩が訪ねてきます。
彼女は風俗嬢をやめてから努力を重ね、現在はバリバリのキャリアウーマンです。「先輩どうしてこんな事しているんですか!?」という後輩に、ちひろさんは静かに怒りを表します。自分が心から良いと感じたものを、丁寧に選んで生きていくちひろさんは、世の中に勝ち負けなんてくだらないものはない、そんな当たり前で大切な事を改めて教えてくれる作品です。
■めぞん一刻(高橋留美子)
言わずとしれた名作。アパート一刻館の管理人「音無響子」さんと、5号室の住人「五代くん」の恋愛ギャグ漫画です。話はオムニバス形式をとりながら、浪人生だった五代くんが少しずつ大人になっていきます。
信じられないほどの運の悪さで大学を浪人し、やっと入った三流大学でぐうたらな大学生活。不景気により就職活動もうまくいかず・・・。しかし、五代くんはとにかくバカで前向きでまじめでまっすぐです。自信のなさに葛藤しながらも、大好きな響子さんの為に一人前の大人になるんだと地道に、しかし少しずつでも前進していく彼の姿に勇気づけられる作品です。
以上、20代の私が、やる気を失った時にお薦めしたい漫画を5作品選んでみました。漠然とやる気を失ってしまった時には、是非いずれかの作品を読んで頂き、生きる事ってなんだかんだ楽しい事なのかもしれない。そんな風に思っていただけたら嬉しいです。
【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】
★記者:ひかるたん(キャラペディア公式ライター)
(C)高橋留美子/小学館
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