『プラネテス』の時代ももうすぐそこ! 増え続ける宇宙ゴミを一網打尽!? 対策が進むスペースデブリ回収

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2016年06月19日 11:11  おたぽる

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おたぽる

「Gizmag」より。

 幸村誠の名作マンガ『プラネテス』(講談社)でも描かれいたが、、今日に続く人類の宇宙開発の歴史において、気づかぬうちに深刻な事態を迎えているのが宇宙ゴミ(スペースデブリ)問題だ。そこで細かく砕けたロケットなどの破片から、寿命が尽きた人工衛星の丸ごとの本体まで、衛星軌道上を漂う危険きわまりない宇宙ゴミを“投網”方式で回収する計画がはじまっている。




■“投網”で宇宙ゴミを効率的に捕獲、回収



 地球の衛星軌道上を周回している多数の宇宙ゴミは、今後の宇宙開発において大きな脅威となっている。日本のみならず世界の大きな期待を背負って今年2月に打ち上げられたJAXA(宇宙航空研究開発機構)の最新鋭X線天文衛星「ひとみ」だが、残念ながら3月26日に機器の不具合が発生し通信が途絶し、4月28日には復旧が断念されプロジェクトが失敗に終わることになった。宇宙ゴミと衝突して機器が故障したのではないかという見解もささやかれたが、4月1日になってJAXAはひとみの異常は宇宙ゴミとの衝突が原因でないという発表を行なっている。



 ともあれ、もはや「トイレの無いマンション」状態になってしまった衛星軌道上において、宇宙ゴミの除去、回収は急務の課題である。そこでESA(欧州宇宙機関)から出てきたアイディアは、宇宙ゴミを“投網”で捕まえて回収するという“投網銃(ネットガン)”だ。そして実際にこの投網銃の投網のシーンを紹介する動画が公開されている。



 深刻な宇宙ゴミ問題を解決するためにESAが立ち上げた「Clean Space」計画のもと、投網銃の試作品を作り上げたのはポーランドのハイテク企業、SKA Polskaだ。投網銃は無重力の宇宙空間において、カメラとコンピュータプログラムによって精確に“投網”を行い、かつ極めて微力なパワーで効率的に宇宙ゴミを回収できるということだ。



「Clean Space」計画の一端を担うミッション「e.deorbit」は、赤道に対してほぼ90度となる衛星軌道である極軌道(polar orbit)付近の、高度800kmから1000kmの層の宇宙ゴミを取り除く課題である。この任務のために、年内にも関係国の承認を受けて計画を推し進め、2023年にこの投網銃の打ち上げを予定しているということだ。




■“パックマン方式”も開発中



 今回は“投網”案がフォーカスされたが、ロボットアームで宇宙ゴミをつかんで回収する案も検討されていた。投網案は、ネットで包み込むことで宇宙ゴミの回転速度を遅らせ安全に回収できることから、検討を重ねるほどに有力な案になったということのようだ。



 多種多様、奇抜な案が出ている宇宙ゴミの回収方法だが、昨年にはスイスから“パックマン方式”が提案されている。懐かしのビデオゲーム『パックマン』のように、衛星軌道上で虫取り網のような開閉する金網で宇宙ゴミをパクっと“食べて”回収し、その後は大気圏に再突入して、我が身もろとも燃え尽きるというもの。スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)を中心とした開発チームが考案した。



 スイスが運用している人工衛星は「スイスキューブ」という直径10センチほどの立方体の小型人工衛星で低コストの運用が可能な一方、寿命も短いため比較的早く宇宙ゴミ化してしまうのだ。そこでこの“パックマン方式”での回収案が登場したのである。すでに試作品はほぼ完成しており、2018年に打ち上げるべく着実に開発が進められているということだ。これまで放置するしかなかった宇宙ゴミが、“投網方式”であれ、“パックマン方式”であれ、物理的に減らす道が拓けてきたのは希望が膨らむ話題だ。
(文/仲田しんじ)



【参考】
・Gizmag
http://www.gizmag.com/esa-drone-net-capture/43777/


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  • プラネテス懐かしいな・・・私的には女神候補生って奴も好きでした^^
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