ユーロ2016準々決勝が2日に行われ、ドイツ代表とイタリア代表が対戦した。
今大会未だ無失点で順当に勝ち上がってきた世界覇者のドイツと、ベスト16で3連覇を狙う欧州王者スペインの夢を打ち砕いたイタリアの対決。高い守備力と試合巧者ぶりを見せてきた両チームだけに、優勝候補に挙げられ、今試合が事実上の決勝戦との声も上がっている。ドイツは3月30日にホームで行われた親善試合で約21年ぶりにイタリアから勝利を収めた。だが、イタリアも主要大会での公式戦ではドイツ相手に8戦無敗(西ドイツ時代を含む)と勝負強さを見せている。
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ドイツはベスト16のスロヴァキア戦からスタメンを1名変更。同試合で1ゴール1アシストのMFユリアン・ドラクスラーがベンチスタートで、DFベネディクト・ヘーヴェデスが入った。その他、GKマヌエル・ノイアー、FWマリオ・ゴメス、MFメスト・エジルらが先発メンバーに名を連ねている。
一方のイタリアもスペイン戦から1名を変更。太ももを負傷したMFダニエレ・デ・ロッシが外れて、代わりにMFステファノ・ストゥラーロがスタメン入り。GKジャンルイジ・ブッフォン、MFエマヌエレ・ジャッケリーニやMFアレッサンドロ・フロレンツィらも先発出場となった。
試合開始16分、主導権を握っていたドイツにアクシデント発生。足を踏まれたサミ・ケディラが負傷でピッチを後にし、キャプテンのバスティアン・シュヴァインシュタイガーが投入された。
ドイツは27分、マッツ・フンメルスが左サイドからアーリークロスを供給。エリア内中央のシュヴァインシュタイガーが、競り合った相手を振り切ってヘディングシュートでゴールネットを揺らす。だが、相手DFへのファールをとられ、ノーゴールとなった。イタリアは31分、ジョシュア・キミッヒのトラップミスから、マッティア・デ・シリオが左サイドを抜けて中央へ折り返し。ジャッケリーニがニアサイドに入ったが、背後から飛び出したジェローム・ボアテングのクリアに遭った。
ドイツは40分、キミッヒが右サイドからアーリークロスを入れる。エリア内中央へ走り込んだM・ゴメスが、打点の高いヘディングシュートを放つが、枠を捉えられなかった。イタリアは43分、ジャッケリーニが味方のロングボールでエリア内左に抜け出してマイナスの折り返し。ボールはファーサイドに流れると、ステファノ・ストゥラーロがダイレクトで右足を振り抜くが、シュートはボアテングのブロックに遭い、枠の左に外れた。
後半に入って65分、ドイツが均衡を破る。左サイドでボールをキープしたM・ゴメスが意表をつくスルーパスをエリア内に入れる。走り込んだヨナス・ヘクターがマイナスの折り返しを入れると、中央に走り込んだエジルが左足で合わせて、ゴールネットを揺らした。
先制で勢いに乗るドイツは68分、エジルの浮き球スルーパスに反応したM・ゴメスが、エリア内中央に抜け出して胸トラップからヒールシュート。だがこれはGKブッフォンの好セーブに阻まれた。しかし78分、イタリアがドイツDFボアテングのハンドでPKを獲得。キッカーのレオナルド・ボヌッチが落ち着いてゴール右隅に決めて、試合を振り出しに戻した。
その後は両チームとも勝ち越しを狙うが、1−1のまま90分が終了し、延長戦に突入。しかし、両チームとも疲労から、なかなかチャンスを作れない。イタリアは113分、延長後半から途中出場のロレンツォ・インシーニェがエリア内左に抜け出してシュートを放つが、GKノイアーにキャッチされた。ドイツは119分、ボアテングの落としから、エジルがダイレクトシュートを放つが、これもGKブッフォンにキャッチされた。試合はこのまま120分でも決着がつかず、PK戦に入る。
PK戦は、先攻のイタリアが9人目までに5人が成功したのに対し、後攻のドイツは9人中6人が成功。この結果、PK戦を制したドイツが、イタリアから公式戦初白星を収め、ベスト4進出を果たした。
ドイツは7日に行われる準決勝で、フランス代表とアイスランド代表の勝者と対戦する。
【スコア】
ドイツ代表 1−1(PK:6−5) イタリア代表
【得点者】
1−0 65分 メスト・エジル(ドイツ)
1−1 78分 レオナルド・ボヌッチ(PK)(イタリア)