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ビジネス書から意外に得られる育児のヒント ――カーネギーの名著『人を動かす』より

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2016年07月04日 12:02  MAMApicks

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最近ビジネス書を読んでいて、ふと気がついたことがある。

――自己啓発本にせよ仕事術にせよ、書いてある内容が育児に応用できそう。

よく考えてみたら、仕事も育児も人間関係。考え方やテクニックが似ていてもおかしくない。

面白いなと思ったので、少し深掘りして考えてみた。

ちょうど読んでいたのが、自己啓発本の名著とも言われる『人を動かす』(デール・カーネギー著/創元社[文庫版])。1937年の初版で、発売から70年近く経った現在でも売れ続ける超ロングセラーである。


この本が育児書の切り口で紹介されたことは、おそらくこれまでにないかもしれない。せっかくなので、PART1「人を動かす三原則」から、2つのフレーズを例に挙げてみる。

■「理由」を理解することの重要性
≪人を非難する代わりに、相手を理解するように努めようではないか。どういうわけで、相手がそんなことをしでかすに至ったのか、よく考えてみようではないか。そのほうがよほど得策であり、また、面白くもある。そうすれば、同情、寛容、好意も、自ずと生まれ出てくる。≫
価値観の違いからチーム内に歪みが出たときや、仲間や部下が失敗したときなど、上手に解決させるためには相手を理解することが重要だという意味だ。

これを育児に置き換えてみよう。

子どもを叱る前に、なぜそのような言動に出たのかを考えるとうまくいく、というようにはとれないだろうか。思い当たる節がある人もいるだろう。

子どもがワガママを言うときや悪さをするとき、大抵は理由がある。大人の価値観からすると明らかにおかしな理由でも、子どもの価値観ではまったくの正論だったりするのだ。

『叱るより聞くでうまくいく 子どもの心のコーチング』(和久田ミカ著/KADOKAWA・中経出版)の中でも、コーチングを専門とする著者の和久田氏が、次のように言っている。

≪叱るときには、『思い』には『YES』でも、その行動には『NO』というスタンスで伝えていくのです。≫
(第一章より)
いけないことはいけないのだけど、頭ごなしに「ダメ」を伝えても子どもにはあまり効果がない。だけど、その「思い」、つまり「理由」を理解し、その気持ちに寄り添ってあげると、案外うまくいくことも多いのだ。

■やらせるのではなくやる気にさせる
もうひとつ、『人を動かす』からはこちらの一説を取り上げよう。

≪人を説得して何かをやらせようと思えば、口を開く前に、まず自分に尋ねてみることだ―― 「どうすれば、そうしたくなる気持ちを相手に起こさせることができるか?」≫
リーダーや上司の立場の人間が、メンバーを動かすときに大切な心得だ。

そして育児においても、「○○しなさい」という言葉を使う場面は計り知れない。「歯磨きしなさい」「着替えなさい」「食べなさい」……たとえ「○○してね」という柔らかな表現を使っていても、本心は同じだ。

このとき、“やるべきこと”を伝えるのではなく、“やりたくなること”を伝えた方がたしかに早い。

例えば、「早く着替えてね」ではなくて、「着替えが終わったら公園に行こうね」の方が効果がある。これは筆者自身が何度も経験済みだ。

■仕事を育児に、育児を仕事にいかす
仕事と育児のどちらも、相手との関係をどれだけ上手に構築するかで、事がスムーズに運ぶかどうかが左右される。

筆者が母になってから4年が経過した。不測の事態に立ち向かう強い心も、想定外の返事が返ってきたときへの対処方法も、そして物事が自分の思い通りに進まないときそれを受け入れる度胸も、確実にパワーアップしてきていると感じる。

そしてこれは、仕事にも活きてくる力だよね、と思った。

「母親」であることを活かせる仕事って、じつは結局のところあらゆる仕事が該当すると思うのだ。人間関係のあるところなら、何も子どもに接する仕事に限らない。

実際に、母親目線でものを見られるようになり、自分自身も仕事の仕方が変わった。もちろん、母になったことだけが原因ではなく、月日とともに自分の価値観が変化した部分もあるけれど、育児経験が仕事に生きているかも、と感じることは少なからずある。

ほとんどの場合において、仕事をしていく上で人との繋がりは避けられない。そして、この繋がりをうまく制することで、仕事は円滑に進むようになる。そのためのテクニックを論じた本もあればセミナーなどもある中、母親である自分は、自宅にいながらにしてトレーニングができる。これはありがたい。

仕事でストレスをためて返ってきたと思ったら、今度は家で子どものワガママに嫌気がさす、こんな負のループにはもう落ちたくない。仕事を育児に、育児を仕事に生かせれば、もっと心中穏やかに過ごせる日が待っているはずだ。

母親だからこそ見える視点を、日々の仕事にもうまくいかしていけるよう、これからも仕事と育児の共通項を探しながら成長していきたい。

西方 夏子
電機メーカーにて組み込みソフトウェアの開発に携わったのち、夫の海外赴任に帯同して5年半ほどドイツで暮らす。2012年に同地で長女を出産後、日本に帰国。フリーのiOSアプリ開発者を経て、現在はフィンテック系ベンチャー企業に所属。

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