市場規模は横ばいながら、製品の多様化が顕著
昨今ヘアケア製品の多様化が目につきますが、ヘアケア市場はどのように変化しているのでしょうか。株式会社矢野経済研究所の調べによると、2015年のヘアケア市場規模(毛髪業、植毛、発毛・育毛剤、ヘアケア剤等の合計)は、事業者売上高ベースで4383億円(前年度比99.3%)となっています。市場規模だけで見れば、この5年間の成長率は100%前後で大きな変化は見られませんが、人口減によって全体的な需要縮小が見込まれる日本にあっては、成長余地がある市場と言えるでしょう。
市場全体の約半数を占めるヘアケア剤は前年度比97.8%と微減。自然志向の高まりからオーガニック訴求製品が増えていることに加え、団塊ジュニア世代以上をターゲットとしたエイジングケアや頭皮ケア製品が増加しています。
植毛、発毛・育毛剤市場に新規参入が相次ぐ
一方で増加傾向にあるのは、毛髪業(かつら)、植毛、発毛・育毛剤です。最も伸びているのは「植毛市場」で、2015年の市場規模は前年度比105.1%の41億円でした。かつては、中高年男性を対象に大手クリニックが市場をリードしてきましたが、薄毛に悩む女性や若者が増加していることを背景に新規参入が増加。また、政府の医療ツーリズム(外国に渡航して治療・診療を受けること)推進を受けて、海外の富裕層をターゲットとしたクリニックも増加しています。
次に伸びているのは「発毛・育毛剤市場」で、2015年度の市場規模は前年度比102.8%の672億円。店頭で販売される一般流通商品では、脱毛の初期段階にあるライトユーザー向けや、シャンプー・リンスなどの関連製品が増えています。また、クリニック向けの製品開発に新規参入する企業が増えており、低価格なジェネリック製品も登場してきています。
そして「毛髪業(かつら)市場」は、前年度比1001%の1,402億円。特に増加が顕著なのは女性用かつらで、低価格をウリに急成長する新規参入企業が出てきています。また、部分用かつらも増えてきており、今後も堅調に市場拡大していくと思われます。
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高齢者人口の増加や薄毛、頭皮トラブルに悩む女性・若年層が増えていることを背景に、ヘアケア市場は今後も微増していくと予想されています。(QLife編集部)
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